- カナダのブリティッシュコロンビア州は、同州の電力網への新規の暗号資産マイニング事業の接続を永久に禁止する。
- この禁止措置は、電力需要を管理し、産業発展をクリーンな電力で支えるための広範な取り組みの一環であり、BCハイドロは今後、新規の暗号資産マイニング事業の電力網接続を承認しない。
- 同州はまた、AIおよびデータセンター向けの電力供給に上限を設け、2026年1月から競争的な割り当てプロセスを導入する予定だ。
カナダのブリティッシュコロンビア州は、雇用と公共収入を支える産業向けの電力供給を保護する必要性を理由に、新たな暗号資産(仮想通貨)マイニング事業が同州の電力網に接続することを恒久的に禁止する計画を発表した。
カナダで3番目に人口の多い同州の政府によるこの措置は、10月20日に発表された広範な立法・規制改革の一環であり、データセンターやAI(人工知能)関連企業による電力使用にも新たな制限を設ける。
同州政府はウェブサイトへの投稿で「当政府は2025年秋に複数の規制・政策変更を実施し…(中略)州の電力供給を維持し電力網の過負荷を回避するため、暗号資産のマイニングを目的としたBCハイドロ(BC Hydro)の電力網への新規接続を恒久的に禁止する」と述べた。
同州は、この規制が電力網の負担軽減と産業発展のクリーン電力供給確保に寄与すると説明した。
同州の電力会社のBCハイドロのシャーロット・ミタ(Charlotte Mitha)社長兼CEOは投稿で「従来産業と新興産業から前例のない需要が発生している」と指摘し、「州の戦略によりBCハイドロは責任を持ってこの成長を管理し、電力網の信頼性を維持しつつ、クリーンで手頃な価格のエネルギー未来を実現できる」と述べた。
声明によれば、暗号資産マイニング事業は多くの場合、大量の電力を消費する一方で、地域雇用や税収をほとんど生み出さない。
これに対し、鉱山や液化天然ガス(LNG)施設などのプロジェクトは、地域経済にとってより有益と見なされている。
暗号資産マイニングへの接続禁止に加え、同州はAIやデータセンター向けの電力供給量を制限すると同時に、2026年1月に競争的な配分プロセスを開始するとしている。
詳細な規制は11月に発表され、AIやデータセンターへの電力配分を競うプロセスは2026年1月から予定されている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:British Columbia to Permanently Ban New Crypto Mining Projects From Grid


