メタプラネット、重要指標「mNAV」が一時1倍に回復

DAT(暗号資産トレジャリー)企業の企業価値を測る指標の一つである「mNAV」について、メタプラネットの数値が11月21日、一時1.00に回復した。

[mNAV推移(メタプラネット社アナリティクスから)]

同数値は直近、0.84付近まで低下し、保有するビットコイン価値に対して株価が割安な状態で推移していたが、同日、市場評価と保有資産価値が均衡する場面が見られた。

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mNAVとは、企業の株式時価総額が、保有するビットコインの市場価値に対してどの程度の倍率で評価されているかを示す指標である。

数値が1.00であれば、株式市場での評価額と保有ビットコインの評価額が同等であることを意味する。

同社は10月28日、足元の株価について、市場評価が保有資産価値を下回る、いわゆる「過小評価」の状態にあると公式に表明していた。

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今回の動きは、この「過小評価」状態が一時的にせよ、解消されたことを示唆するものである。

同社のmNAVが回復した背景には、主に2つの要因が作用したと見られる。

第一は、ビットコイン価格の変動とmNAV算出ロジックの関係である。mNAVの数値は、以下の計算式によってはじき出される。

  • mNAV = (株式時価総額+総負債) ÷ ビットコイン保有評価額

今回の局面では、分母にあたる「ビットコイン価格」が下落していた。計算式上、分子(株価)が横ばい、あるいは下落したとしても、分母(ビットコイン価格)がそれ以上の比率で減少すれば、算出される数値(mNAV)は上昇する。

今回はこの「ビットコイン価格の下落」が、mNAVを押し上げる直接的な要因になったと考えられる。

[BTC価格推移(メタプラネット社アナリティクスから)]

第二の要因として、11月20日に同社が開示した複数の資本政策が、株価の下支えとして作用した可能性が挙げられる。

発表によると、同社は既存の第20回から第22回新株予約権を買い取り消却し、新たに第23回および第24回新株予約権を発行する「リファイナンス」を行う。

この施策により、将来発行される可能性のある株式数が、従来の約4億株から約2.1億株へと半減することとなる。

市場では、株式数の増加による1株あたりの価値の希薄化が懸念されており、これが株価の重しとなっていた側面があるが、今回のリファイナンスによりそのリスクが軽減された形だ。

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また、同社は同日、第三者割当による「B種種類株式」を発行する計画も発表。これにより約212億円を調達する。普通株式への転換価額は1000円に設定されており、調達資金は主にビットコインの追加購入に充当するとされている。

|文:栃山直樹
|画像:同社ウェブサイトから(キャプチャ)

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