- JPモルガン(JPMorgan)は、強まるHPCへの転換の勢いを理由に挙げ、サイファー・マイニング(Cipher Mining)とクリーンスパーク(CleanSpark)の株を「オーバーウェイト」に格上げした。
- マイニングの収益性が厳しくなり、利益が圧迫される中でも、新しい長期のクラウドとコロケーションの契約が評価額を引き上げている。
- JPモルガンはIRENの目標株価を引き上げる一方で、ビットコイン価格の下方修正と株式希薄化の進行を反映し、マラ・ホールディングス(MARA Holdings)とライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)の目標株価を下方修正した。
ウォール街の銀行JPモルガンは、高性能コンピューティング(HPC)関連の取引が相次ぎ、ビジネスモデルが再構築され、長期的な収益の見通しが明確になる中、米国上場ビットコインマイニング企業に対する見解を強化している。
同行はサイファー・マイニング株を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げし、目標株価を12ドルから18ドルに引き上げた。サイファー株は11月24日、4.2%高の14.74ドルで取引されている。
クリーンスパーク株も「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げされた。クリーンスパーク株は、プレマーケットの取引で4.6%高の10.18ドルで取引されていた。
JPモルガンは、IRENの目標株価を28ドルから39ドルに引き上げたが、「アンダーウェイト」の格付けは維持した。IREN株は、43.20ドルで2.2%値上がりしている。
オーバーウェイトに格付けされたマラ・ホールディングスとライオット・プラットフォームズはどちらも、ビットコイン価格低下のために目標株価が引き下げられた。マラは20ドルから13ドルに、ライオットは19ドルから17ドルに下方修正されている。
当記事執筆時点では、マラ株は0.35ドルで2.8%上昇し、ライオット株は12.94ドルで1.8%上昇している。
JPモルガンは、9月下旬以降にIRENとサイファーが契約した600メガワット(MW)の重要IT設備における、190億ドル(約3兆円、1ドル=157円換算)超の契約収益を指摘。これはマイナーが、ビットコイン専業からハイブリッドHPC事業者への移行を加速している証拠だと述べている。
JPモルガンは現在、2026年末までにカバレッジ対象企業全体で約1.7ギガワット(GW)の重要IT容量を見込んでおり、その牽引役はアイレンとサイファーである。
JPモルガンは、サイファーがアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)やフルイドスタック(Fluidstack)といった主要テナントと約600MWの契約容量を有していることを踏まえ、最近の高値から45%下落した株価は魅力的な買い場だと主張した。
クリーンスパークの格上げは、テキサス州の新拠点における約200MWの潜在的なHPC容量を反映している。
JPモルガンのアナリストらは現在、割引率の低下とキャッシュフロー可視性の向上を背景に、コロケーション事業では1MW当たり800万ドル~1700万ドル、統合型クラウド事業では最大1900万ドルと、より高い株式価値を割り当てている。
完全なHPC転換を想定した場合、ライオットとクリーンスパークが最大の上昇余地を示す一方、承認待ちの将来容量を含めると、サイファーが長期的なオプショナリティで優位を維持している。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock(CoinDeskが加工)
|原文:Bitcoin Miners Cipher and CleanSpark Upgraded by JPMorgan as HPC Shift Accelerates


