- ステーブルコインがユーロ圏の銀行から個人預金を引き離すことで、金融システムを不安定化させる可能性があると、欧州中央銀行(ECB)は述べた。
- ステーブルコインの時価総額は2800億ドル(約43兆9600億円、1ドル157円換算)を超え、暗号資産市場全体の約8%を占めている。
- ステーブルコインで取り付け騒ぎが発生した場合、準備資産の投げ売りにつながり、米国債市場に打撃を与え、金融危機を引き起こす可能性があるとECBは述べた。
欧州中央銀行(ECB)は24日、ステーブルコインがユーロ圏の銀行から貴重な個人預金を引き離す可能性があるため、世界的な金融安定性リスクをもたらすと警告するレポートを発表した。
「ステーブルコインの大きな成長は個人預金の流出を引き起こし、銀行にとって重要な資金源を減少させ、資金調達全体が不安定になる可能性がある」とECBは述べた。
ステーブルコインの総時価総額は、投資家の関心の高まりと世界的な規制の進展を背景に2800億ドル(約43兆9600億円)超に拡大し、現在では暗号資産市場全体の約8%を占めている。ステーブルコイン最大手である、テザー(USDT)を発行するテザー(Tether)社とUSDコイン(USDC)を発行するサークル・インターネット(Circle Internet)は、米国債の主要保有者に数えられる。
「これらのステーブルコインで取り付け騒ぎが発生した場合、準備資産の投げ売りを誘発する可能性があり、それが米国債市場の機能に影響を与え、より広範な金融危機につながる可能性がある」とレポートは述べている。
ECBのこの姿勢は、ECB理事会メンバーの一人であり、オランダ中央銀行(DNB)総裁のオラフ・スレイペン(Olaf Sleijpen)氏が最近表明した懸念と一致している。
この分析には議論の余地がある。10月、コインベース(Coinbase)の最高政策責任者であるファリヤール・シルザド(ファリヤー・シルザド)氏は、「準備金による完全な裏付けは、ステーブルコインを銀行よりも安全にする」と記した。また、ステーブルコインの普及が金融の安定性を強化するとも述べた。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:欧州中央銀行のビル(ECB Press modified by CoinDesk)
|原文:ECB Doubles Down on Warning That Stablecoins Could Pose Global Financial Risks


