国産ブロックチェーンゲーム「クリスペ」終了へ──運営6年半「勝ち筋見出せず」

国産ブロックチェーンゲーム「CryptoSpells(クリプトスペルズ)」の公式Xアカウントは11月25日、同タイトルのサービス提供を2025年12月15日をもって終了すると発表した。

2019年のリリースから約6年半にわたり運営されてきたが、収益性の観点から事業継続が困難であると判断された。

同作はNFTを活用したトレーディングカードゲームとして知られる。リリース初日には売上が600ETH(当時約2000万円)を突破し、2020年にはテレビCMも放映された。国内最大級のブロックチェーンゲームとして、長年にわたり市場を牽引してきた実績を持つ。

開発元であるCryptoGamesの小澤孝太代表は同日、自身のXにて終了に至った背景を説明した。

運営コストを極限まで削減し延命を図ってきたものの、「力及ばず勝ち筋を見出せなかった」とコメント。直近の財務状況について「2年でサーバー代に3000万円が溶け、延命期間の期限切れを迎えた」と具体的な数字を挙げて窮状を明かした。

サービス終了に伴いゲームプレイは停止されるが、NFTのメタデータ配信は継続される方針だ。これにより、サービス終了後もOpenSea等の第三者マーケットプレイスやウォレットサービスにおいて、ユーザーが保有するNFTの閲覧や取り扱いは引き続き可能となるという。

今回の発表は、国産ブロックチェーンゲーム市場が直面する厳しい現状を改めて浮き彫りにする。

業界では有力タイトルの撤退が相次いでおり、Eureka Entertainmentが運営する「コインムスメ」も2025年12月26日でのサービス終了を発表したばかり。

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このほかにも今年は、gumiが開発に参画した「TOKYO BEAST」や、「キャプテン翼-RIVALS- Polygon/Oasys」、double jump.tokyoによる「魁 三国志大戦 – Battle of three kingdoms-」など、注目を集めたタイトルが続々とサービス終了を迎えている。

独自トークンの運用維持や外部プラットフォームへの対応コストなどが重荷となり、事業継続を断念せざるを得ない事例が増加している。

こうした市場環境の悪化に加え、規制強化の動きも今後の国産タイトルにとって大きな懸念材料となっている。

前日26日に開催された金融庁のワーキング・グループでは、暗号資産規制を金融商品取引法(金商法)へ移行させる方針が大筋で合意され、一連の審議が終了した。

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今後、ゲーム内で流通するトークンが厳格な金融商品として扱われることになれば、事業者への管理コスト増は避けられない。

加えて、ユーザー側にとってもゲームプレイに伴う資産のやり取りが「金融取引」としての性質を帯びることになり、心理的なハードルや手軽さの欠如につながる可能性がある。

|文:栃山直樹
|画像:CryptoSpells公式サイトから(キャプチャ)

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