- 米連邦準備制度理事会(FRB)は、新たな種類の決済口座に関する情報提供要請を発表した。これにより、過度な規制要件なしにFRBの決済システムへのアクセスを求める暗号資産(仮想通貨)企業に恩恵をもたらす可能性のある、新口座の検討が本格化する。
- FRBは45日間にわたり、一般からの意見を受け付ける。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、いわゆるマスター口座の簡易版創設に向けた第一歩を踏み出した。企業がより包括的なサービスを得るために課される膨大な手続きを経ることなく、FRBの決済システムへのアクセスを許可する「決済口座」をFRBがどのように構築すべきかについて、意見募集を開始したのだ。
FRBは12月19日の声明で、新技術に依存する企業から寄せられる「当該機関の決済業務の清算・決済を明確な目的として」決済サービスへの容易なアクセスを求める要望に応える方法に関する情報提供を要請すると表明した。公開コメント受付期間は45日間である。
FRBのマスター口座は、金融機関がFRBの決済システムに直接アクセスするための経路である。取得が困難な場合があり、一部の暗号資産企業にとっては障壁となってきた。
クリストファー・ウォーラー理事は声明で、「これらの新たな決済口座は、決済システムの安全性を維持しつつイノベーションを支援する」と述べ、次のように続けた。
「この情報提供要請は、決済方法の進化にFRBが適切に対応するための重要な第一歩である」。
ウォーラー氏は以前、この構想を支持し、10月には「スリムな」マスター口座として提案していた。19日の説明によると、この口座は利息を支払わず、FRBからの信用供与も受けられず、残高上限も設けられるという。
ドナルド・トランプ大統領の政権が発足するまで、FRBの規制責任者を務めていた民主党任命のマイケル・バー理事は、この提案に対して、「我々が監督していない機関によるマネーロンダリングやテロ資金調達に口座が利用されるのを防ぐための保護措置について、十分に具体的ではない」という理由で反対の立場を表明していた。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:クリストファー・ウォーラーFRB理事(Jesse Hamilton/CoinDesk)
|原文:Federal Reserve moves toward narrower, crypto-driven take on master accounts
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