QRコード決済ゲートウェイを手がけるネットスターズは12月23日、米ドル建てステーブルコイン「USDC」を用いた店舗支払いのサービス実証を、羽田空港第3ターミナル内の一部店舗で実施すると発表した。同社によると、USDCを実店舗の支払い手段とする取り組みは国内初という。サービス実証は近日開始の予定。
今回の実証は、インバウンド客向けにUSDCを利用できる環境を提供するもの。利用者は、ステーブルコイン決済用のQRコードを提示し、店舗側が読み取ることで決済を行う。店舗は、ネットスターズが提供する既存の決済ゲートウェイサービス「StarPay」を通じて、他のQRコード決済と同様の運用で対応できるという。

USDCは、米国の規制に準拠したステーブルコイン。ステーブルコインはもともと暗号資産取引での利用をメインに開発され、今もその用途が大多数を占める。だがUSDCは規制に準拠していることから、最近では、Visaがカードを発行する銀行、および加盟店のカード決済を取りまとめる銀行との決済に利用するなど、伝統的金融(TradFi)領域での利用が広がっている。日本国内では、2025年3月にSBI VCトレードが取り扱いを開始している。
だが、ブロックチェーン上で流通してきたステーブルコインを実店舗の決済に利用するには、技術面や運用面、法規制との整理といった課題がある。ネットスターズは、今回の実証について、そうした課題を検証し、社会実装に向けた知見を得ることを目的としていると説明する。リリースによると、本スキームについては、国内法規制、特に資金決済に関する法令を遵守した形で実施できることを、担当弁護士が確認しているという。
同社は今後、今回の実証結果を踏まえ、他の空港や商業施設への展開も視野に入れ、ステーブルコインを活用した決済の実用化を検討していくとしている。
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