- 米連邦準備制度理事会(FRB)は、銀行の暗号資産(仮想通貨)関連活動に焦点を当てることを目的とした新規活動監督プログラムを終了する。
- FRBは声明で、プログラムが設立されてから2年間でその専門知識が向上し、デジタル資産の監督を通常の監督業務に戻すことができるようになったと述べた。
米連邦準備制度理事会(FRB)は8月15日、銀行の暗号資産との関係を特別に監視することを目的に2年前に開始された監督プログラムを終了し、暗号資産に対する監督緩和の動きを続けた。監督プログラムの業務は、通常の監督業務に戻されることになった。
FRBは、当時のジョー・バイデン大統領によって任命された監督責任者であるマイケル・バー副議長の在任中に、短命に終わることとなる新規活動監督プログラムを設立した。15日のFRBの声明によると、FRBはその取り組みを終了し、「通常の監督プロセスを通じて銀行の新規活動を監視することに戻る」とのことである。
ドナルド・トランプ大統領の2期目が始まって以来、FRBは、積極的なデジタル資産の取り締まりを控えている他の銀行規制当局と歩調を合わせる傾向がある。
FRBは4月、銀行が新たな暗号資産関連活動を行う前に政府の監督者から承認を得るよう指示した、以前のガイダンスを撤回した。他の2つの米連邦銀行規制当局である通貨監督庁と連邦預金保険公社も、以前のガイダンスを撤回する同様の動きをとった。これにより、銀行は既存のリスク管理の期待の下で、独自に暗号資産に関する決定を下すことになった。
新規活動監督プログラム設立の背景には、FRBが特別な専門知識を集め、革新的で未検証のテクノロジーから生じる可能性のある、銀行システムへのリスクにより密接に焦点を当てる必要があるという考えがあった。
この構想は、2023年の銀行危機の直後に生まれたものであり、この危機では、テクノロジーや暗号資産分野の顧客と密接に関連していた3つの米国貸付機関、シリコンバレー銀行、シルバーゲート銀行、およびシグネチャー銀行が破綻した。
しかし、15日の声明によると、プログラムを設立してからの2年間で、FRBは「これらの活動、関連リスク、および銀行のリスク管理慣行に関する理解を強化した」ため、その業務は通常の監督プロセスに戻されることになった。
暗号資産業界と米国の銀行規制当局は、激動の数年間を経験した。この間、デジタル資産企業や関係者は、銀行サービスへのアクセス遮断を目的とした政府機関による組織的な取り組みについて不満を述べていた。この取り組みは、デジタル資産業界とその共和党議員の同盟者によって「オペレーション・チョークポイント2.0」と呼ばれていた。
しかし、トランプ氏は暗号資産に友好的な当局者を任命して銀行規制当局の方向性を転換させた。そして、FRBは独立性を守っているものの、暗号資産への制約を緩和する傾向において、全般的に通貨監督庁や連邦預金保険公社と足並みを揃えている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Jesse Hamilton/CoinDesk
|原文:U.S. Fed Officially Scraps Specialist Group Meant to Oversee Crypto Issues


