- 米国の総合消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%上昇し、予想の0.3%を上回った。失業保険申請件数および主要な雇用創出に関するデータの修正は、労働市場におけるストレスの高まりを示唆している。
- ビットコインは価格水準を維持し、CMEギャップの117,300ドル(約1732万円、1ドル=147円換算)に接近している。
- 200日移動平均線は102,000ドル(約1500万円)まで上昇し、短期保有者のコストベースは過去最高値に達した。
ビットコイン(BTC)は115,929.21ドル(約1712万円)と、前週比で約4%上昇となった。これはビットコインにとっては良いニュースだが、経済にとっては悪いニュースだ。
直近の経済指標がネガティブなトーンを示したことから、米連邦準備制度理事会(FRB)が現地時間9月17日に利下げを行うとの見方が高まり、株式やビットコインなどのリスク資産の魅力が増している。
この仮説を裏付けるデータについてまとめてみよう。
筆頭は、現地時間9月11日発表の米国消費者物価指数(CPI)だ。予想をわずかに上回り、インフレが予想よりも根強いという可能性が示唆された。
その前には、現地時間9月9日に雇用統計の改定が発表された。世界最大の経済大国である米国において創出された雇用者数は、3月までの1年間で報告された雇用者数より約100万人少ない結果となった。これは米国史上最大の下方修正である。
これらの数値は、その前に発表され、強く注目された月次雇用統計に続くものだ。米労働統計局によると、米国の8月の雇用者数の増加はわずか2万2000人で、失業率は4.3%に上昇した。新規失業保険申請件数は2万7000件増加し、この水準は2021年10月以来の高いものとなった。

インフレ率の上昇と雇用者数の減少は米国経済にとって好ましくないため、「スタグフレーション」という言葉がマクロ経済に関する評論で再び囁かれ始めているのも不思議ではない。
このような状況の中、ウォール街でリスク資産とみなされているビットコインは、上昇を続け、現地時間9月12日には11万6000ドル(約1713万円)を超え、8月からのCME先物価格差を11万7300ドル(約1732万円)でほぼ埋めるに至った。
トレーダーは最大のリスク資産である株式も買い増しているため、これは驚くことでもない。利下げへの期待から2日連続で過去最高値で取引を終えたS&P500指数を見れば明らかである。
では、トレーダーはビットコインの価格チャートをどう見るべきなのだろうか。
チャートにこだわるトレーダーにとって、価格動向は依然として建設的に映り、9月の底値10万7500ドル(約1587万円)から安値を切り上げる動きが見られる。200日移動平均線は10万2083ドル(約1507万円)まで上昇し、強気相場のサポートとして多用される短期保有者実現価格は過去最高の10万9668ドル(約1619万円)まで上昇した。

ビットコイン関連銘柄:玉石混交
しかしながら、ビットコインのポジティブな週次価格動向は、ビットコインを財務に活用する企業として最右翼のストラテジー(Strategy)にとって追い風とはならず、同社の株価は週を通してほぼ横ばいとなった。ライバル企業のMARA Holdingsは7%、XXI は4%と、より好調なパフォーマンスを見せた。
ストラテジーは年初来でビットコインをアンダーパフォームしており、200日移動平均線(記事執筆時点で355ドル)を下回って推移している。現地時間9月11日の終値326ドル(約4.8万円)は、2024年9月と2025年4月に見られた重要な長期サポート水準を試している。
同社のmNAVプレミアムは、未償還の転換社債と優先株を考慮すると1.5倍を下回り、株価のみに基づくと約1.3倍となっている。

優先株の発行は依然として低調で、直近の週はSTRKとSTRF全体でわずか1700万ドル(約25億円)しか発行されなかったため、アット・ザ・マネーの発行の大部分は依然として普通株を通じて行われている。同社によると、現在、4つの永久優先株すべてについてオプションが上場・取引されており、これは配当利回りの追加的な利益をもたらす可能性がある。
暗号資産関連株の強気なカタリスト?
CMEのFedWatchツールによると、トレーダーは9月に25ベーシスポイントの米国金利引き下げを予想しており、年末までに合計3回の利下げを織り込んでいる。
これは、リスクセンチメントが成長株と暗号資産関連株に再び傾く可能性があることを示唆しており、直近で、10年米国債が一時的に4%を下回ったことがそれを裏付けている。

それでも、ドル指数(DXY)は数年にわたるサポートを維持しており、潜在的な転換点として注目に値する。

|翻訳・編集:T.Minamoto
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|原文:Bitcoin Climbs as Economy Cracks — Is it Bullish or Bearish?


