ビットフィネックスのBTCロングポジションが20%増加──歴史的には価格下落に先行
  • ビットフィネックスでは、BTC/USDのロングポジションが3カ月で20%増加した。
  • 強気な買いの動きの増加は、BTC価格の見通しを弱めるものだ。

最も歴史の長い暗号資産(仮想通貨)取引所の一つであるビットフィネックス(Bitfinex)におけるビットコイン強気の賭けは、ここ数週間で著しく増加しており、重要な移動平均線のサポートを下回ったBTC価格に弱気の兆しを見せている。

TradingViewのデータによると、ビットフィネックスにおけるBTC/USDのロングポジションは過去3カ月で20%増加し、信用取引ポジションは5万2774に達した。これらのロングポジションは、借入金を用いてビットコインを購入するポジションであり、潜在的な利益とリスクの両方を増幅させている。

通常、ロングポジションの増加は、強い買い圧力と強気な市場センチメントを意味する。しかし、ビットコイン市場では歴史的に、レバレッジをかけたロングポジションの増加が価格下落に先行するというパラドックスが見られる。この現象は、トレーダーが市場トレンドを誤って判断する傾向に起因しており、強制的な清算や裁量的な売却によって価格が逆方向に押し進められることにつながっている。

[ビットフィネックスにおけるBTC/USDのロングポジションとBTC現物価格。:TradingView/CoinDesk]

過去の分析によって、ビットフィネックスにおけるBTC/USDのロングポジションは、ビットコインの価格変動と逆の動きをすることが多いことが分かっている。例えば、BTCの過去の上昇はビットフィネックスのロングポジションの減少と一致しており、価格下落はロングポジションの増加と並行して起こっている。この矛盾したパターンは、これらのロングポジションを単純な強気シグナルではなく、逆張りの指標であることを示唆している。

したがって、現在のロングポジションの急増は、弱気な警戒感を高めている。記事執筆時点で、ビットコインの価格は100日単純移動平均線(SMA)である11万3283ドルを下回っている。これは重要なテクニカル指標であり、この水準を下回ると、さらなる下落の可能性が高くなる。

この動きは複雑な相互作用を浮き彫りにしている。レバレッジをかけたロングポジションは楽観的な見方を示す一方で、市場が反転した場合には痛みを伴う清算を招き、ボラティリティと価格下落を激化させる。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Longs on Bitfinex Jump 20%, Prices Drop Below 100-Day Average

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