- S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス(S&P Dow Jones Indices)は、15の暗号資産(仮想通貨)と35の暗号資産関連の上場企業株を組み合わせた新しいインデックスを立ち上げる予定である。
- ディナリ(Dinari)は、オンチェーンで同インデックスのパフォーマンスを追跡するブロックチェーンベースのトークンを発行する予定である。
- このインデックスは、デジタル資産と暗号資産セクターに結びついた伝統的な株式の両方に分散されたエクスポージャーを提供することを目指すものである。
S&P グローバル(S&P Global)の一部門であるS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは10月7日、伝統的な株式市場とデジタル資産をブレンドした新しいハイブリッドインデックスを立ち上げる予定であると発表した。
これは、急速に変化する暗号資産セクターに対応しようとする投資家に、新たなオプションを提供するものである。
「S&P デジタル・マーケッツ50インデックス(S&P Digital Markets 50 Index)」と名付けられたこのインデックスは、暗号資産インフラ、ブロックチェーンアプリケーション、金融サービスに携わる35の上場企業と、S&Pの既存の「Broad Digital Market Index」から抽出された15の暗号資産を追跡する予定である。
その結果、デジタル資産エコシステムを構築する企業と、それを推進するトークンの両方のパフォーマンスを捉えるクロスアセットのベンチマークが誕生する。
米国の公開株式をトークン化するプラットフォームであるディナリ(Dinari)が、インデックスの設計に協力し、投資家がオンチェーンで直接インデックスを追跡できるように「dShare」と呼ばれるトークンを発行する予定である。
このトークンは、ブロックチェーンプラットフォーム全体で透明性とアクセス可能性を持てるように設計されている。
この動きは、機関投資家がデジタル資産を単なる投機的な賭けとしてではなく、コアポートフォリオの一部として扱う傾向が高まっていることを反映している。
「北米からヨーロッパ、アジアに至るまで、市場参加者はデジタル資産を投資ツールキットの一部として扱い始めている」と、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスの最高製品・運営責任者であるキャメロン・ドリンクウォーター(Cameron Drinkwater)氏は述べた。
実用的な観点から見ると、このインデックスは、ボラティリティの高いトークンにすべてを賭けることなく暗号資産へのエクスポージャーを求めている投資家にアピールする可能性がある。
暗号資産関連株は、デジタル資産企業が次々と上場し、米国規制当局が業界に対してより明確なルールを提供し始めているため、今年人気が急上昇している。
投資家は、改善された規制の見通しと暗号資産関連ビジネスモデルのメインストリーム化の両方に反応しているようである。
コインベース(Coinbase)株は年初来で50%上昇した。一方、ロビンフッド(Robinhood)は、暗号資産サービスの提供を拡大し、今年初めに暗号資産取引所を買収し、その株価は1月以来250%以上上昇している。
ディナリのトークン化の取り組みはまた、インデックス投資の仕組みを近代化しようとする動きでもある。
ディナリの最高事業責任者であるアンナ・ヴロブレフスカ(Anna Wroblewska)氏は、「私たちは単にインデックスをトークン化しているだけでなく、ブロックチェーンインフラが信頼できるベンチマークをどのように近代化できるかを実証している」と述べた。
デジタル・マーケッツ50インデックスは、S&Pの増え続ける暗号資産関連インデックスのリストに加わり、デジタル金融と伝統的金融の融合が進む中での大きな転換を示唆する可能性がある。
インデックスの立ち上げ日は発表されていない。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:S&P’s New Index Blends 15 Cryptos With 35 Crypto-Linked Stocks


