- モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は、退職金口座を含むすべての口座タイプで、全顧客が暗号資産(仮想通貨)に投資できるようにする予定である。
- これまでは、積極的なリスクプロファイルを持つ、富裕層顧客にアクセスが限定されていた。
- この動きは、暗号資産がメインストリームで受け入れられるにつれて、伝統的な金融に対して適応するようにとの圧力が高まっていることを反映している。
モルガン・スタンレーは、資産管理顧客向けの暗号資産投資へのアクセスを拡大すると、CNBCが10月8日に報じた。
これは、伝統的に慎重なウォール街の機関投資家の間でのより広範な変化を示唆する動きである。
モルガン・スタンレーは15日から、ファイナンシャルアドバイザーが、リスク許容度や純資産に関わらず、退職金制度を含むすべての口座タイプで、全顧客に暗号資産投資を提供できるようにする予定であると報じられた。
これまでは、少なくとも150万ドル(約2億2800万円、1ドル=152円換算)の資産、積極的なリスク志向、および課税対象の証券口座を持つ顧客に限定されていた。
この決定は、モルガン・スタンレーの8兆2000億ドル規模の資産運用・投資管理事業にとって大きな拡大であり、メインストリームの投資家向けの長期的な資産クラスとしての暗号資産の受け入れが広まっていることを示唆している。
この動きはまた、暗号資産商品がより広範に利用可能になるにつれて、レガシー企業が直面する圧力を浮き彫りにしてる。
例えば、ブラックロック(BlackRock)のiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(iShares Bitcoin Trust:IBIT)は、立ち上げから2年も経たずに1000億ドルに迫る運用資産を誇り、同社の最も収益性の高いETF(上場投資信託)となっている。
ウォール街で最も暗号資産に懐疑的な企業の1つであるバンガード(Vanguard)でさえ、顧客に暗号資産現物ETFへのアクセスを提供することを検討していると報じられており、わずか1年前には想像も難しかったであろう方針転換である。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:JHVEPhoto / Shutterstock.com
|原文:Morgan Stanley Opens Crypto Access to All Clients Amid Wall Street Shift Toward Digital Assets: CNBC


