- オンチェーンレンディングは暗号資産担保借入全体の66.9%を占め、DeFiローンはインセンティブ、新たな担保タイプ、プラズマなどの新興チェーンの急成長に後押しされ、過去最高の410億ドル(約6兆4370億円、1ドル157円換算)に達したことが、ギャラクシー・デジタルのレポートで明らかになった。
- 中央集権型レンディング業者の貸出残高は37%増の244億ドル(約3兆8310億円)となったが、担保要件ははるかに厳しくなった。テザーが追跡対象のCeFiレンディングの約60%を支配。
- 10月10日に発生した190億ドル(約2兆9830億円)規模の清算連鎖は史上最大規模だったが、ギャラクシーは、これは取引所のリスク管理システムを反映したものであり、システム的な信用リスクの蓄積によるものではないと述べた。
第3四半期の暗号資産(仮想通貨)担保借入は、過去最高の736億ドル(約11兆5550億円)に急増し、このセクターで史上最もレバレッジの高い四半期となったが、そのレバレッジ構成は、2021年から2022年のサイクルよりも大幅に健全に見える。
ギャラクシー・リサーチ(Galaxy Research)によると、この急増は圧倒的にオンチェーンレンディングによって牽引されており、現在では暗号資産担保借入全体の66.9%を占め、4年前の前回のピーク48.6%から上昇している。
DeFiレンディング単体では、ポイント制のユーザーインセンティブや、ペンドル(Pendle)のプリンシパル・トークン(PT)などの改善された担保タイプに支えられ、55%増の410億ドル(約6兆4370億円)と過去最高を記録した。
中央集権型レンディング業者も、借入額が37%増加して244億ドル(約3兆8310億円)となり回復を見せたが、市場規模は2022年のピーク時の3分の2となっている。

前回のサイクルを生き延びた企業は、無担保レンディングをほぼ放棄し、機関投資家からの資本や上場を求めて、完全担保モデルへと転換。テザー(Tether)は依然として最大のCeFiレンディング業者であり、追跡対象ローンの約60%を支配している。
この四半期には、DeFi自体にも決定的な変化が見られ、レンディングアプリがオンチェーン市場の80%超を占めるようになり、担保付き債務ポジション(CDP)に裏付けられたステーブルコインは16%に縮小。プラズマ(Plasma)上のアーベ(Aave)やフルイド(Fluid)などの新しいチェーンの展開が活動を活発化させ、プラズマはローンチから5週間以内に30億ドル(約4710億円)の借入を集めた。
注目すべきは、第3四半期終了直後にレバレッジに起因する清算が発生し、190億ドル(約2兆9830億円)超相当の清算を記録したことだ。これは、暗号資産先物史上最大の単日清算連鎖となった。
それでも、ギャラクシーのレポートは、清算イベントはシステム的な信用の弱さを反映したものではないと主張している。取引所の自動レバレッジ解消システムが作動したため、ほとんどのポジションは機械的にリスクが軽減されたという。
一方、企業のデジタル資産トレジャリー(DAT)戦略は引き続きレバレッジに依存しており、暗号資産取得企業に関連する未払い債務は120億ドル(約1兆8840億円)を超えている。DAT企業を含む業界全体の債務総額は、過去最高の863億ドル(約13兆5490億円)に達した。
このデータは、暗号資産のレバレッジが再び上昇しているものの、前回の好況と不況のサイクルを引き起こした不透明で裏付けのない信用取引に代わり、担保付きの構造が採用されたことで、より堅固で透明性の高い基盤の上で上昇していることを示唆している。
|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:Crypto Leverage Hits Record High in Q3 as DeFi Dominance Reshapes Market Structure: Galaxy


