モネロの元リード開発者、詐欺容疑で逮捕──暗号資産とは無関係

プライバシーを重視した暗号資産(仮想通貨)モネロ(XMR)の元リード開発者、リカルド・スパーニ(Riccardo Spagni)氏が7月20日、米テネシー州ナッシュビルで逮捕され、暗号資産とは無関係の詐欺罪で南アフリカに送還されることになった。

ネット上で「フラフィポニー」(Fluffypony:ふわふわのポニー)として知られるスパーニ氏は、2009年から2011年にかけて架空の会社から偽の請求書を発行し、支払い先を自身の銀行口座にすることで、当時の雇用主であるケープ・クッキーズ(Cape Cookies)から約10万ドル(約1100万円)を盗んだとして告発されている。

スパーニ氏は詐欺罪などで起訴されていたが、無罪を主張して出廷していない。裁判資料によると、南アフリカ当局はスパーニ氏を発見できず、友人や家族への捜査によって南アフリカから逃亡したことが判明したという。南アフリカの警察は4月、スパーニ氏に逮捕状を出した。

妻が代わりにツイート

同氏の妻、サシカ・スパーニ氏は2日、夫に代わって「残念ながら、2011年から解決に努めている古い問題の裁判期日の設定について誤解があったため、私は法廷侮辱罪で拘束され、現在、引き渡しを待っている」とのメッセージをツイッターに投稿した。

同氏は問題の早期解決を望んでおり、「その間、私のビジネスはパートナーたちが引き継ぐ」と付け加えた。

2/2 私は法廷侮辱罪で拘束され、現在、引き渡しを待っている。誤解をすぐにでも解決したいと願っている。その間、私のビジネスはパートナーたちが引き継ぐ。

スパーニ氏は5年間モネロに注力した後、2019年にリーダー的役割から退いたが、依然としてモネロの公的な代表であり、しばしば広報活動などを担当してきた。

スパーニ氏はニューヨークからメキシコ・ロスカボスに向かう途中、チャーターしたプライベートジェットが燃料補給のためにナッシュビルに着陸したときに逮捕された。

逮捕状によるとスパーニ氏は現在、米連邦保安局が身柄を拘束し、引き渡しまで保釈は認められないという。同氏は「逃亡を可能にする多額の暗号資産」と「80万ドル(約8800万円)の価値がある腕時計」を持っていると考えられている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:リカルド・スパーニ氏(CoinDesk archives)
|原文:Former Monero Maintainer ‘Fluffypony’ Arrested and to Be Extradited for Non-Crypto Crimes