米ファナティクス、Toppsのトレカ部門を買収──NFT事業拡大に期待

スポーツアパレルのeコマースで事業を拡大してきた米ファナティクス(Fanatics Inc.)が、トップス(Topps)社のトレーディングカード部門を買収する。同社はNFTビジネスを2021年に開発しており、今後はデジタルコンテンツのグローバル事業に注目が集まりそうだ。

フロリダ州ジャクソンビルに本社を置くファナティクスは1月4日(現地時間)、トップスが70年以上運営してきたトレーディングカード部門の買収を完了させたと発表。買収金額は明らかにしていないが、CNBCやCNNは関係者の話として今回の買収額を約5億ドル(約580億円)と報じた。

トップスのスポーツ・アンド・エンターテインメント部門は、トレーディングカードなどのコレクティブルズ(収集品)事業で、これまでにアメリカ、イギリス、ドイツ、ブラジル、日本を含む100以上の国で販売されてきた。

一方、マイケル・ルービン(Michael Rubin)CEOが率いるファナティクスは2021年に、トレーディングカード事業を開始。米メジャーリーグ(MLB)、プロバスケットボール協会(NBA)、アメリカンフットボール選手協会(NFLPA)などとトレカ事業における権利を獲得してきた。同社は昨年8月に3億2500万ドルの資金を調達しているが、調達時の評価額は180億ドル(約2.1兆円)に達したと報じられた。

ファナティクスは昨年5月にNFTの販売を行う子会社、キャンディデジタル(Candy Digital)を立ち上げ、MLBを中心としたデジタルコンテンツの開発計画を発表している。

キャンディデジタルは、ファナティクスのルービン氏と、米デジタル資産事業を手がけるギャラクシーデジタルの創業者、マイケル・ノヴォグラッツ(Michael Novogratz)氏らによって設立された。

NFT(ノン・ファンジブル・トークン=非代替性トークン):ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アートやイラスト、写真、アニメ、ゲーム、動画などのコンテンツの固有性を証明することができる。NFTを利用した事業は世界的に拡大している。

|テキスト:佐藤茂
|トップ画像:Shutterstock.com

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