Web3に流入するトップ人材:VCの見解

Web3に流入するトップ人材:VCの見解

テクノロジー企業が恐竜のように巨大で、時代遅れのものと形容されるのを耳にすることは少ないが、今まさにそのような状態が始まっている。ビッグテックは進化を続けなければ、過去の遺物として隅に追いやられるリスクに直面するだろう。

アマゾン、グーグル、メタ・プラットフォームズをはじめとするビッグテックは、広告からの収入という時代遅れのビジネスモデルに慣れすぎてしまっている。ちなみに広告業界の年間成長率は15.7%だ。

広告テックは魅力的なチャンスを提供しているが、ブロックチェーンの方が成長のポテンシャルは高い。

驚異的な成長を見せるウェブ3

ウェブ3(Web3)の成長は、とどまるところを知らない。イーサリアムのデイリーアクティブアドレス数は2020年1月の20万から55万に増加。年間約65%も成長している。

イーサリアムの収益も、2020年は週に20万ドルであったのが、現在では週に3100万ドル。新しく台頭しているレイヤー1プロトコルの成長は、さらに驚異的だ。ソラナのデイリーアクティブアドレス数は、2020年1月にはゼロであったのが、現在では55万と、イーサリアムと同じ水準になっている。

20年前に作られたオンライン広告のビジネスモデルを極め続けることは、トップレベルの人材にとっては面白みに欠ける。最高に賢く、知識も豊富な人たちは、ウェブ3が喜んで提供してくれる新しいチャンスを求めているのだ。

このようなトレンドは、より多くの独立志向の人たちが自らのチャンスを求め、ウェブ3の「オーナーシップエコノミー(参加者が所有権や経済的利害を持つ経済システム)」に流れ込むに伴って、「クリエイターエコノミー」とともに始まったのかもしれない。

大勢の開発者たちがウェブ3の世界に流入している。ウェブ3に特化したベンチャーキャピタル、エレクトリック・キャピタル(Electric Capital)の開発者レポートによると、ブロックチェーンプロジェクトに関連するGitHubのパブリックリポジトリの数は、昨年以来100%増加しているのだ。

人材の流入は、開発者だけではなく、幹部レベルでも起こっている。メタのウォレットプロジェクトNoviの元最高マーケティング責任者(CMO)は、サークル(Circle)のCMOに就任。

アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のエッジ・サービス(Edge Services)を担当していた元ゼネラルマネージャーは現在、ジェミニ(Gemini)の最高技術責任者を務めている。さらにリフト(Lyft)の元最高財務責任者と、ウーバーの元企業開発担当ディレクターはどちらも、世界最大級のNFT取引サービスOpenSea(オープンシー)に加わった。

そして、Airbnbの元幹部クリス・レハン(Chris Lehane)氏は、暗号資産ベンチャーキャピタルファンドに転職。ユーチューブの元ゲーム担当責任者は、ブロックチェーンゲームやNFTに特化したポリゴン・スタジオ(Polygon Studios)へと移っていった。このような幹部レベルの転職の事例は、まだまだ他にもある。

このような人材の流入に加えて、ブロックチェーンスタートアップは莫大な資金を受け取っている。2021年にはその額は330億ドルと、前年比で8.1倍であった。

テック人材への需要の高まり

ウェブ3におけるテック人材に対する需要は極めて高くなっている。イギリスでは、ブロックチェーンという言葉を含む求人がかつてなく増加し、リンクトイン(LinkedIn)によると、ブロックチェーン業界の求人情報は2020年以来400%増加している。

私が務めるベンチャーキャピタル、ロッカウェイ・ブロックチェーン・ファンド(Rockaway Blockchain Fund)でも、ブロックチェーンテクノロジーに対する関心を目の当たりにしている。

我が社のポートフォリオ企業のすべてが、採用を行っている。ソラナと我が社がプラハで共同主催した開発者向けのイベント「Hacker House」では、30以上のチームが、チーム構築あるいは拡大を目指して、800人の参加開発者たちに対してプレゼンを行った。

コスモス(Cosmos)エコシステム向けのプラハでの「Gateway Conference and Hackathon」でも、同じくらいの参加者を見込んでいる。新型コロナウイルス感染拡大前にバイナンスやオアシス・ラボ(Oasis Labs)と開催したハッカソンには、約30人の開発者しか参加しなかっとことを考えれば、大幅な成長である。

このような数字は、ブロックチェーン業界の勢いを示しており、ウェブ3への長期的かつ価値付加型投資家としての、我が社の確信をさらに強固にしてくれる。ウェブ3のオーナーシップエコノミーによって、利害関係者たちの動機が一致することと、最高の人材および莫大な資金を組み合わせることこそが、ベンチャー投資家たちが求めているものなのだ。

デュサン・コバシック(Dusan Kovacic)氏は、デジタル資産やインフラに投資するベンチャーキャピタルRockaway Blockchain Fundの最高投資責任者である。

|翻訳・編集:山口晶子、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:Top Talent Is Migrating to Web 3

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