バイナンスコイン、米大手暗号資産取引所への未上場は黄信号か

バイナンスコイン、米大手暗号資産取引所への未上場は黄信号か

バイナンス(Binance)はこの数週間、暗号資産市場の憶測の中心となっている。同取引所から数十億ドルの資産が流出し、監査が立ち消えになり、米規制当局の調査を受けているのではないかと伝えられているためだ。

こうした不安は、バイナンスコイン(BNB)の最近の下落傾向に明確に反映されている。バイナンスコインは12月、約17%急落して245ドル付近、暗号資産の指標であるCoinDesk Market Indexの5.7%下落を大きく下回った。

CoinMarketCapのデータによると、2021年5月のピーク時は690ドル。時価総額はピーク時の約1160億ドルから約400億ドルまで落ち込んでいる。

出典:CoinDesk

バイナンスコインとFTT

懸念の核心は、11月にFTXが驚くほど早く崩壊したことと同様に、バイナンスも基盤が脆弱なのではないかというものだ。

FTX崩壊の最初のサインは、取引所トークン「FTT」が下落し始めたことだった。ならば、暗号資産アナリストはバイナンスコインの評価額に注目すると同時に、FTTの経緯を詳細に振り返ることで市場の脆弱性を投資家に知らせることができるかもしれない。

事実、ある大きな共通点が浮かび上がっている。FTTがアメリカの大手暗号資産取引所にほとんど上場できなかったように、バイナンスコインもアメリカの多くの取引所は上場していない(Binance.USには上場している)。

一部の暗号資産アナリストは、アメリカの大手取引所は規制当局の目を恐れて、バイナンスコインの上場を避けたのではないかと考えている。規制面での問題は、保有者にとってもリスクにつながる可能性がある。

「取引所はおそらく、バイナンスコインを証券と見なして上場していないのだろう。競合が発行する暗号資産でもあり、アメリカの取引所が証券(の可能性があるもの)を上場するリスクを負う価値はないだろう」とIntoTheBlockのリサーチ責任者ルーカス・アウトミュロ(Lucas Outumuro)氏はCoinDeskに語った。

FTTは証券に分類

先週、米SEC(証券取引委員会)がFTX関連の訴状の中でFTTを証券と分類したことでそのリスクはより高まった。

訴状は、FTTの「バイ・アンド・バーン」プログラムの存在を指摘した。こうしたプログラムは、企業が自社株買いによって発行に出回る株式を減らし、その価値を高める行為に等しいと見なされる可能性がある。

バイナンスのWebサイトには「バイナンスコインはデフレ資産であり、年間を通じてバーン(焼却)することで安定した価値を維持する」とある。

Fundstratの暗号資産戦略責任者ショーン・ファレル(Sean Farrell氏も、バイナンスコインは「有価証券と見なされる可能性がある」ため、ほとんどのアメリカの取引所は上場していない可能性が高いと述べた。

バイナンスにコメントを求めているが、まだ返答はない。

以前、同社の広報担当者はバイナンスコインはアメリカ以外では、いくつかの大手暗号資産取引所に上場していると指摘している。

バイナンスの主張

バイナンスのWebサイトには「バイナンスコインは、BNB Chainのエコシステムを強化する暗号資産」「世界で最も人気のあるユーティリティトークンの1つとして、他の暗号資産と同様に取引できるだけでなく、幅広いアプリケーションやユースケースで使用できる」と書かれている。

実用性の面では、バイナンスコインは「商品やサービスの支払い、バイナンススマートチェーンの取引手数料の決済、限定トークンセールへの参加など」に使用できるという。

CoinGeckoによると、バイナンスコインはクーコイン(KuCoin)、フォビ(Huobi)、OKXをはじめとする数十の暗号資産取引所に上場している。

一方、アメリカの大手暗号資産取引所クラーケン(Kraken)は120以上の暗号資産を上場しているが、バイナンスコインを上場していない。

クラーケンの広報担当者はCoinDeskに「クラーケンは、資産の選択と上場について堅牢な手順を有しており、資産が相応する分析と吟味、つまり厳格なコンプライアンス、法律、セキュリティプロセスなどが確実に適用されるようにしている」と述べた。

同じくバイナンスコインを上場していない米コインベース(Coinbase)の担当者は「当社がまだ、人気の暗号資産を上場していない場合、それはおそらく、以下のようなさまざまな理由によるものだ。つまり、当該資産は当社の上場基準を満たしていない、十分な情報がない、追加の技術的なインテグレーション作業が必要、あるいは当該資産のネットワークをサポートしないと当社は結論づけているということ」と述べた。

「バイナンスコインはBNBは確かに強いポジションにはない。バイナンスに関する厄介な問題が残っているため、しばらくはこの状況が続くだろう」とB2C2のデリバティブトレーダー、コリン・ハウ(Collin Howe)氏は23日に記している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Binance Failing to Get US Exchange Listings for BNB Is Yellow Flag for Crypto Analysts

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