ナイジェリア中央銀行、バイナンスやバイビットなどで暗号資産を取引している者の特定を金融機関に指示
  • ナイジェリアの中央銀行は、バイナンス、バイビット、クーコイン、OKXの4つの認可を受けていない暗号資産取引所で、取引を行っている個人または事業体を特定するよう、金融機関に指示した。
  • 今回の措置は、バイナンスとナイジェリア政府との間で進行中の争いを受けたものだ。

米CoinDeskが閲覧した通達によると、ナイジェリア中央銀行は4月23日、金融機関に対し、バイビット(Bybit)、クーコイン(KuCoin)、OKX、バイナンス(Binance)で取引している個人または事業体を特定するよう求める指令を出した。

この通達は、預金取扱銀行、ノンバンク、その他の金融機関および一般大衆に宛てられたもので、暗号資産(仮想通貨)の取引や暗号資産取引所への支払いを行うことは禁止されていると注意喚起している。

今回の措置は、バイナンスとナイジェリア政府との間で国際的な見出しを飾る事態が発生したことを受けたものだ。ナイジェリア政府は、バイナンスが自国通貨ナイラの暴落を引き起こした通貨投機を可能にしていると非難し、バイナンスの幹部2人を国内に召喚し、逮捕した。うち1人は逃亡している。

規制当局はまた、金融機関に対し、「そのような口座が6カ月間PND(Post No Debit:口座引落し不能)になっていることを確認する」ように求めている。この指令に違反した場合は、規制当局から厳しい制裁を受けることになるという。

注目すべきは、通達によると、暗号資産プラットフォームと密かに連携し、「テザー(USDT)を違法に売買」している者や「疑わしいエージェント」は逮捕されるということだ。それは「ナイジェリアの経済問題を調査するのはナイジェリア中央銀行の義務である」からだという。

しかし、「通達が国内の暗号資産取引所に言及していないことは注目に値する。おそらく、Flincapのような多くのナイジェリアの暗号資産関連企業が、必要なライセンスを積極的に取ろうとしているからだろう」と、OTC暗号資産取引所であるFlincapのナサニエル・ルス(Nathaniel Luz)CEOは述べた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ナイジェリア最大の都市・ラゴス(Shutterstock)
|原文:Nigeria Directs Entities to Identify Those Dealing Crypto With Bybit, KuCoin, OKX and Binance