バイナンスのチャンポン・ジャオ氏に懲役3年を要求:司法省

バイナンス(Binance)の創業者で元CEOのチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は、同取引所が制裁とマネーロンダリング防止に関する法に違反したことに関して、3年の懲役刑を受けるべきだと米司法省は23日夜に発表した。一方、ジャオ氏の弁護士は、同氏が支払った罰金と同氏が「きわめて大きな責任を受け入れていること」を理由に、懲役刑を受けるべきではないと主張した。

司法省は、同氏が昨年11月に銀行秘密法違反で有罪を認めたことを受け、36カ月の懲役と5000万ドル(77億5000万円、1ドル155円換算)の罰金を支払うべきだと主張する文書を提出した。その数時間後、ジャオ氏の弁護団も文書を提出し、「ほぼ同様の銀行秘密法事件で懲役を宣告された被告はこれまでいない」と述べ、アブダビの自宅での自宅監禁を含む保護観察処分を提案した。

「この事件の判決は、ジャオ氏へのメッセージであるのみならず、世界へのメッセージでもある。ジャオ氏はアメリカの法に違反したことで莫大な報酬を得た。ジャオ氏の犯罪行為を効果的に罰し、アメリカの法を破ることで富とビジネス帝国を築こうとする誘惑に駆られる他の人々を抑止するためには、違反の代償はかなりのものでなければならない」(司法省の文書)

ジャオ氏は当初、司法取引により最長18カ月の懲役刑と見込まれていた。司法省は23日の文書で、「ジャオ氏の不正行為の範囲と影響は甚大だった」ため、「ここでは上方修正が適切」と主張した。

弁護側の反論

ジャオ氏は、バイナンスでの犯罪資金の具体的な取引を知らなかったし、「明確に知らされた」こともなかったと弁護側は述べている。また、ジャオ氏には再犯のリスクはないとし、懲役刑ではなく保護観察処分にすべきだと主張した。

判決は当初、2月下旬の予定だったが、双方の合意により4月30日に延期された。ジャオ氏は昨年、ワシントン州シアトルの連邦裁判所に出廷して以来、パートナーや子供たちが住むドバイに戻ることはできていない。

世界最大級の暗号資産取引所であるバイナンスは、ジャオ氏とともに自社の罪を認め、43億ドルという巨額の罰金と、裁判所が任命したモニターへの報告に同意した。モニターはまだ任命されていない。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Consensus 2022でのジャオ氏(Shutterstock/CoinDesk)
|原文:Binance Founder Changpeng Zhao Should Spend 3 Years in Prison, DOJ Says