米中貿易摩擦緩和でビットコインの対金強気相場が加速する可能性:チャート分析

- ビットコインの過去2週間のパフォーマンスは金を大幅に上回っており、強気トレンドが強まる可能性がある。
- ビットコイン/金比率は逆ヘッドアンドショルダーを上抜けており、ビットコインのパフォーマンスがさらに金を上回ることを示唆している。
- 米中貿易摩擦の緩和は、より広範なリスクオンのセンチメントにつながり、暗号資産と株式の両方に恩恵をもたらす可能性がある。
過去2週間、ビットコイン(BTC)のパフォーマンスは金を大幅に上回っており、強気トレンドがさらに強まる可能性がある。
この見通しは、ビットコイン/金比率の強気な値動きと、米中貿易摩擦の緩和によって支えられている。
最近、ビットコイン/金比率は逆ヘッドアンドショルダー(大きな谷が2つの小さな谷で挟まれる典型的な底打ちパターン)を上抜けた。このパターンでは、谷の底から反発した後の高値を結んでトレンドラインが形成される。このブレイクアウトは弱気から強気へのトレンド転換を示しており、ビットコインのパフォーマンスがさらに金を上回ることを示唆している。
先週、ビットコイン/金比率はトレンドラインを上回っており、テクニカル分析では現在の32.00から少なくとも35.00まで上昇する可能性があることが示されている。この目標値は、最大の谷とトレンドラインの差をブレイクアウトポイントに加算して算出され、ビットコインが金に対して上昇する可能性を示唆している。

強気なテクニカル分析の状況は、ビットコインが金価格の上昇に追随する傾向があることを示す過去のデータと一致している。
TradingViewのデータによると、金は4月22日に3500ドル(約51万円、1ドル145円換算)を突破する急騰を記録したが、その後、安全資産である金は8%以上下落して3211ドルとなっている。同じ期間にビットコイン価格は19%近く上昇し、10万4000ドル(約1508万円)に達した。
アメリカと中国の貿易摩擦が12日序盤に緩和されたことで、金価格は下落する可能性がある。一方、リスクオンのセンチメントが再燃してビットコインは上昇する可能性がある。
ジュネーブで発表された共同声明によると、アメリカと中国は両国で製造された製品に対する関税を引き下げることで合意した。中国はアメリカ製品に対する関税を90日間125%から10%に引き下げることを提案している。一方、アメリカは中国製品への関税を145%から30%に引き下げることを提案した。
暗号資産(仮想通貨)取引所コインスタッシュ(Coinstash)の共同創業者であるメナ・テオドロウ(Mena Theodorou)氏はCoinDeskへのメールで、「関税引き下げにより、リスクオンのポジション構築への回帰が広まる可能性があり、暗号資産と株式はともに投資家の信頼回復と世界的な資本流入の恩恵を受ける可能性が高い」と述べた。
また、テオドロウ氏は、「今回の上昇は、マクロ経済環境が好転する中で起きたものだ。画期的な動きとして、アメリカはイギリスと中国の両方と貿易協定を締結しており、プーチン大統領とゼレンスキー大統領は15日に停戦の可能性について協議する予定だ。こうした進展は、暗号資産を含む世界的なリスクセンチメントを押し上げた」と指摘した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Philip Oroni/Unsplash+
|原文:Bitcoin’s Bull Run Against Gold Could Accelerate as U.S.-China Trade Tensions Ease: Chart Analysis