LN Trends 2025年6月(vol.8)

暗号資産(仮想通貨)取引所bitbankを運営するビットバンクが公開した「LN Trends」最新号を転載してお届けします(LN:Lightning Network)。
Voltageが「Voltage Payments」のベータ版リリース

参照:Voltage公式ブログ
概要:Voltage Paymentsは、法人向けに提供されるLightning Network(LN)決済プラットフォームであり、法人用クレジットカードのように活用できる仕組みを提供します。シンプルなAPIを通じて、ノードやチャネル、流動性管理の煩雑さを排除し、Lightning決済を簡便に企業活動へ導入可能とすることを目的としています。
説明:Voltage Paymentsでは、登録ユーザーである企業に対して信用枠が付与されます。これにより、企業はLightning Networkを用いた即時決済を行うことができ、実際の支払いは後日、BitcoinまたはUSDにて請求処理が行われます。請求時には、プラットフォーム利用に伴う手数料が加算されます。
主な特徴として、ノード・チャネル・流動性といったLightning Networkの技術的な管理を不要とし、APIの利用のみでLightning Network決済機能を組み込むことが可能です。また、企業内のチーム管理機能も備えており、複数人での利用や権限管理にも対応しています。
現在はLightning Networkによる決済のみに対応していますが、将来的にはステーブルコインによる決済の追加も予定されています。
Ambossがインバウンドキャパシティをカバーする「Liquidity Subscriptions」をリリース

参照:Liquidity Subscriptions専用サイト
概要:Ambossは、Lightning Network上での決済受領に必要な「インバウンド流動性」を自動で確保できる月額制サービス「Liquidity Subscription」の提供を開始しました。AIによるチャネル選定と自動最適化により、企業がLightning Networkで安定して支払いを受け取れる環境を構築することが可能です。
説明:Lightning Networkにおいて、支払いを受け取るためには、十分な「インバウンドキャパシティ(受け取り用の流動性)」が必要です。しかし、その確保と管理には一定の煩雑さや技術的なハードルがあり、ノード運用上の課題となってきました。Ambossの「Liquidity Subscription」は、この課題を月額のサブスクリプション形式で解決するサービスです。
ユーザーは、たとえば「月に1000ドル相当のBTCを受け取りたい」といった受け取り金額の予算を設定するだけで、Magma(Ambossが提供する流動性マーケット)を通じて、AIが最適なチャネルを自動的に選定します。そして、設定した予算額に見合ったインバウンドキャパシティが確保されます。料金は、予算額の0.5%が月額費用として発生します。
本サービスは、Lightning Networkを通じた安定した支払い受領が求められる取引所、決済業者、ウォレットプロバイダーなどの事業者を主な利用者として想定しています。自社でノードを運用しながら、ノンカストディアル性を維持できる点が利点です。
RevolutがLightsparkと提携し、Lightningを実現させる

概要:英国のフィンテック大手Revolutは、Lightsparkとの提携を通じて、Lightning NetworkおよびUniversal Money Address(UMA)の導入を進めています。これにより、Revolutのユーザーはより高速かつ柔軟な暗号資産の送受信が可能となる見込みです。現時点では、サービスの提供時期や詳細な仕様は未公表ですが、対象は英国および一部のEEA諸国とされています。
説明:Revolutは、暗号資産や金融機能を幅広く提供する欧州発の大手フィンテック企業であり、今回のLightsparkとの提携により、BitcoinおよびLightning Networkの実用的な機能をさらに強化しようとしています。
Lightsparkは、Lightning Networkの企業導入を促進するためのインフラ開発を行っており、今回の提携ではRevolutに対してUniversal Money Address(UMA)という汎用的な送金アドレスの仕組みや、Lightning経由の即時支払い機能などが提供される予定です。 現時点では、サービスの提供開始日や詳細な利用方法については発表されていませんが、対象は英国および一部のEEA加盟国に限定される見込みです。