リップル社、SECに対する交差上訴を取り下げ──長年にわたる法廷闘争に終止符

- リップル社は、SECに対する約5年に及ぶ法廷闘争における交差上訴を取り下げることを決定した。
- SECとリップル社が和解を求めた二度目の共同申し立ては、26日にトーレス判事によって却下された。同判事はリップル社に対する差止命令の取り消しに異議を唱えた。
- リップル社は当初の1億2500万ドルの民事制裁金を受け入れる見通しで、恒久的な差止命令はそのまま適用される可能性が高い。
リップル(Ripple)社と米証券取引委員会(SEC)の間の長年にわたる法廷闘争はついに終結したようだ。リップル・ラボ(Ripple Labs)のブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)CEOが27日、同社がこの訴訟における交差上訴を取り下げる予定だと発表した。
同CEOはXに、「リップル社は交差上訴を取り下げる。そして、SECも以前から表明している通り上訴を取り下げる見込みだ」と投稿。「我々はこの章をこれっきりで終わらせ、最も重要なこと、つまり価値のインターネット(Internet of Value)の構築に注力する。集中しよう」と述べた。
エックス・アール・ピー(XRP)はこのニュースを受け、1.4%と若干上昇した。
この決定は、ニューヨーク南部地区のアナリサ・トーレス(Analisa Torres)連邦地方判事がSECとリップル社の共同請求を却下した翌日に行われた。この共同請求は、リップル社への民事制裁金を5000万ドル(約73億円)に減額し、同社に対する恒久的差止命令を解除する和解合意案の承認を求めるものだった。トーレス判事にとって承認の障害となったのは後者だったようだ。
同判事は、「実際、裁判所がリップル社の法律違反を懸念するべきでないのであれば、なぜ両当事者はリップル社に『法律を遵守せよ』と命じる差止命令を解除しようとするのか」と疑問を提起し、「裁判所が差止命令を発令したのは、リップル社が連邦証券法違反を継続するであろう『合理的な蓋然性』があると判断したためだ。この点は今も変わっておらず、両当事者もこの点が変わったと主張していない」と指摘した。
トーレス判事が同様の請求を却下するのは今回で二度目。同判事は5月、管轄権と手続き上の欠陥の両方を理由に同様の試みを却下していた。裁判所は和解条件について譲歩する兆候を見せておらず、交差上訴を取り下げるとのリップル社の決定でこの訴訟は終結する。この決定により、リップル社は当初課された1億2500万ドル(約181億円)の民事制裁金を受け入れ、同社に対する恒久的な差止命令はそのまま維持されることになる。
リップル・ラボの広報担当者は、CoinDeskのコメント要請にすぐには応じなかった。
SECは2020年、当時のジェイ・クレイトン(Jay Clayton)委員長の下、リップル社がXRPの販売を通じて連邦証券法に違反したとして同社を初めて提訴した。数年にわたる訴訟の後、トーレス判事は2023年の判決で最終的に、公開取引所での個人トレーダーへのXRP販売は証券取引を構成しないと結論付けたが、機関投資家へのXRP販売は証券取引を構成し、証券法に違反していると判断した。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Ripple to Drop Cross-Appeal Against SEC, Ending Years-Long Legal Battle With SEC