「トレバ」運営のサイバーステップ、暗号資産投資事業に参入──最大10億円規模

オンラインクレーンゲーム「トレバ」を運営するサイバーステップは、7月1日より暗号資産の戦略的備蓄と運用を行う新事業を開始すると発表した。

この事業は、新たに設立される戦略部門「クリプテック・キャピタル(CRYPTECH Capital)」が担当し、企業の新たな収益基盤の構築とWeb3領域への事業展開の加速を目的とする。

新事業の核となる戦略として、同社は「自己循環型トークンエコノミー」の構築を計画している。これは、同社が展開するWeb3サービスから創出されたトークンを、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった主要暗号資産へ交換し、企業資産として備蓄・集約するモデルである。

[サイバーステップリリースから]

この仕組みにより、ユーザー参加型コンテンツで生まれた価値を企業の資産基盤に還元し、安定性と拡張性を両立させる資産循環モデルの確立を目指すとしている。

この構想における具体的な事例として、同社が既にサービス提供しているブロックチェーンゲーム「Eggle」が挙げられる。4月に開始されたこのゲームでは、ユーザーはNFTキャラクターを育成する過程で「Eggle Energy Token ($ENG)」を獲得できる。このトークンは、今回の新事業における「自社関連トークン」の一例として、戦略的な投資対象に含まれる。

クリプテック・キャピタルは、「Eggle Energy Token」に加えて、BTCやETHなどの基幹資産、その他の将来性あるミームコインやゲームコインなどを投資対象とする。ポートフォリオ全体で、資産価格の上昇によるキャピタルゲインと、ステーキングやDeFiプロトコルへの流動性提供を通じて得られるインカムゲインの両立を図る方針だ。

事業の開始にあたり、2026年5月期において自己資金から初期購入予算として2億円を充当する。その後、市場の動向を評価しながら、戦略的備蓄額を最大10億円まで段階的に拡大する予定を示している。

|文:栃山直樹
|画像:同社Webサイトから(キャプチャ)