XRP先物市場で強気のシグナル──しかし現物価格は比較的安定

- XRP先物市場は強気の勢いを示しており、建玉は1月以来の高水準に達している。
- 資金調達率がプラスであることは、トレーダーがXRPのロングポジションを好んでいることを示す。
- 先物市場では強気のシグナルが出ているが、XRPの現物価格は比較的安定している。
決済機能に重点を置く暗号資産(仮想通貨)であるエックス・アール・ピー(XRP)関連の先物取引は明るい兆しを見せ、強気の勢いを築こうとしている。
Veloのデータによると、7月7日、主要な取引所に上場されているXRP永久先物の累計未決済建玉は一時8億XRPに達し、1月19日以来の高水準となった。Veloは、バイナンス(Binance)、バイビット(Bybit)、OKX、ハイパーリキッド(Hyperliquid)に上場されているテザー(USDT)および米ドル(USD)建ての永久先物の取引量を追跡している。
累計未決済建玉は現在7億4300万XRPで、XRPが1.90ドルで暫定的な底値をつけた6月22日と比べて33%高い水準にある。
未決済建玉とは、ある時点で未決済またはアクティブな先物契約の数を指す。この数の増加は市場への資金流入を示すものの、資金流入の性質については何も示唆しない。
とはいえ、最近の未決済建玉の急増は、強気なロングポジションを追いかけるトレーダーによって主導されているようだ。これは、永久資金調達率(ファンディングレート)が一貫してプラスを維持しており、時折10%を超えることもあり、強気なエクスポージャーへの需要を示しているためだ。
取引所は通常、8時間ごとに資金調達率を算出し、強気なポジションの需要が永久先物契約を現物の価格よりも高く取引させる場合、ロングポジションがショートポジションに資金を支払う仕組みになっている。

バイナンス上場のXRP/USDT市場における「トップトレーダーのロング/ショート比率」も、市場の強気ムードを示唆している。記事執筆時点で、Coinglassが追跡しているこの比率は1.90で、ショートポジション1つにつきロングポジションが2つあることを示している。ショートポジションはXRP価格が下落することで利益を得る。
先週、デリビット(Deribit)上場のオプション市場では、トレーダーがより高い権利行使価格のXRPコールを追いかける動きが見られた。
しかし、XRPのスポット価格はまだ顕著な強気ボラティリティを示していない。7日には、価格は5月末以来の高値である2.35ドルまで上昇したが、すぐに2.25ドルまで下落し、その水準で推移している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:XRP Futures Open Interest Zooms to 5-Month High as Traders Seek Bullish Bets