ビットコイン、11万ドルに向けて急騰──トランプ氏、FRB金利は「3ポイント高すぎる」と発言：テクニカル分析

トランプ米大統領が、現在の米連邦準備制度理事会（FRB）の金利が300ベーシスポイント（bps）高すぎると指摘してから30分以内に、ビットコインは11万ドル付近まで急騰した。
グローバルな資本市場に関する分析を提供する「The Kobeissi Letter」は、利下げがS&P 500を7000まで、金を5000ドルまで押し上げる可能性があると指摘している。また、インフレ率が5%を超える可能性や、米国住宅価格が25%急騰する可能性にも警鐘を鳴らしている。

CoinDesk Researchのテクニカル分析モデルによると、ビットコイン（BTC）は7月9日、10万9343ドルまで急騰し、過去24時間比で0.8%上昇した。

トランプ米大統領は米国東部時間7月9日午前10時、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル（Truth Social）」への投稿で、FRBのFF金利が「少なくとも3ポイント高すぎる」と述べ、300ベーシスポイント（3%）の利下げに言及した。

トランプ氏は、利下げを遅らせることは、債務の借り換えコストに年間3600億ドル（約53兆円、1ドル＝146円換算）の負担を課すと主張した。

トレーダーたちは、流動性の回復やリスクオンのセンチメントの可能性など、このような劇的な政策変更の短期的な影響を価格に織り込んだと見られ、この投稿から30分以内に、ビットコインは着実に上昇し始めた。

Xでの包括的なスレッドにおいて、「The Kobeissi Letter」のマクロ経済アナリストらは、トランプ氏の主張の詳細に分析した。彼らの分析によると、過去12カ月間で米国の総利払い額はすでに1兆2000億ドルに達しており、これは1日あたり33億ドルに相当する。

アナリストらは、トランプ氏の計算では、国家債務の36兆ドル全体において、1%の利下げごとに3600億ドルの節約を想定しているものの、そのうち公的に保有されていて、金利変更の影響を受けるのは約29兆ドルだけだと指摘した。

より現実的な仮定の下では、300ベーシスポイントの利下げを段階的に実施した場合、初年度に利息費用を約1740億ドル削減でき、債務の20%を毎年借り換える場合、削減額は5年間で合計2兆5000億ドルに達する可能性があると推計している。

このような節約の可能性にもかかわらず、アナリストらは3%の利下げの広範な経済的影響は、歴史的なものになると警告している。

現代史上、FRBの利下げで100ベーシスポイントを超えたものは存在しない。2008年の金融危機や2020年3月の新型コロナウイルスに関わる緊急措置時でさえもだ。

景気後退期以外で、年間3.8%の成長率を有する経済において300ベーシスポイントの削減を実施することは、前例のない措置となる。

「The Kobeissi Letter」は、このような措置がインフレ率を5%を超える水準まで再燃させ、米ドルの急落（10%を超える可能性あり）を引き起こし、住宅価格が住宅ローン金利の急落により急騰する可能性があると警告した。

資産市場は短期的に上昇する可能性があり、金価格は5000ドル、原油価格は80ドル/バレルを超え、S&P 500は7000を突破すると予測されている。

しかし、アナリストらは、米国政府による支出の大幅な削減がない限り、長期的な影響は不安定化を招くものとなると強調した。

ビットコインに関しては、そのような利下げがもたらす影響は明白だ。金利の急落は金融刺激措置と解釈され、ビットコインのようなハード資産や代替的な価値の保存手段への資本流入を加速させる可能性が高い。

アナリストらは、このような利下げの可能性について議論を続けているが、市場の即時的な反応は、投資家が上昇リスクに備えていることを示唆している。

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