コインベース株、2段階の格下げにも関わらず、暗号資産高騰を受けて値上がり

- H.C. ウェインライト(H.C. Wainwright)は、コインベース(Coinbase)の株式を「買い」から「売り」に格下げし、最近の急騰が短期的なファンダメンタルズを上回っていると警告した。
- 格下げにもかかわらず、コインベースの株価は7月10日、ビットコインが11万3000ドルを超える史上最高値を記録したことに伴い、389ドルへと4%以上値上がりし、史上最高値を更新した。
- ウォール街のアナリストの大多数は、第2四半期の業績報告が弱いものになると予想しつつも、コインベース株に対して中立または強気の見方を維持している。
暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースの株価は7月10日、4%以上急騰し、投資会社H.C. ウェインライトが第2四半期の業績が期待外れになる可能性を警告し、珍しく二段階の格下げを行ったことを無視する形となった。
アナリストのマイク・コロネッゼ(Mike Colonnese)氏は、コインベースに対する評価を「買い」から「売り」に引き下げた。この見通しの急激な転換は、スポット取引活動の鈍化と、彼が過剰と見なす価格急騰への懸念に根ざしている。
「我々は引き続きコインベースを『ベスト・オブ・ブリード』の暗号資産取引所と見なし、セクター全体に対して前向きな見方を維持しているが、4月の安値から約150%上昇した、我々の見解では過剰な株価の急騰により、評価が短期的なファンダメンタルズを大幅に上回っていると判断している」と、コロネッゼ氏はクライアント向けに述べた。
コロネッゼ氏の懸念は、中央集権型取引所において、スポット取引高の「意味のある減少」が第2四半期に発生すると予想される点に集中している。この減速は、コインベースの最大の収入源である取引手数料収入に圧力をかける可能性がある。ただし、サブスクリプションとサービス収入(ステーキングやカストディを含む)は、予想を上回る水準で推移すると、コロネッゼ氏は予想している。
コロネッゼ氏の弱気な見方は、ほとんどのセルサイドの見方とは対立している。その一例として、第2四半期の収益報告が弱いものにになると同様に予想するバークレイズ(Barclays)は、中立の評価を維持している。
一方、オッペンハイマー(Oppenheimer)は、コインベース株に「アウトパフォーム」格付けを与え、より楽観的な見方を維持している。
それでもコインベース株は10日、暗号資産の継続的な上昇に後押しされ、4%近く上昇した。ビットコイン(BTC)はさらに2%上昇し、11万3000ドルを超える史上最高値を記録した。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Camilo Concha / Shutterstock.com
|原文:Coinbase Shares Shrug Off Double Downgrade to Close Higher on Crypto Rally