ビットコイン上昇はドル安を反映──他の資産との比較では今後の障壁が浮き彫りに

- ビットコインは11万7000ドルを超えた水準で価格発見が続いている。これは米ドル安が一因だ。ドル安になると、株式や暗号資産などのリスク資産が支えられる。
- ビットコインはドル建てでは史上最高値を更新したが、金や株価指数、英ポンドに対しては史上最高値を更新できておらず、本物のブレイクアウトの可能性が現れるまでには重要な抵抗ラインが残っていることを示している。
ビットコイン(BTC)は11日に史上最高値に達し、現在は11万7000ドル(約1697万円、1ドル145円換算)を超える水準で価格発見局面にある。しかし、ビットコインは、金やベンチマークとなる株価指数、英ポンドに対しては以前に記録した史上最高値を下回ったままだ。
これは、最近の上昇の大部分が、暗号資産(仮想通貨)の広範な材料よりもむしろドル安を反映しているためだ。ドルインデックスは年初の110から低下し、98を下回った。100を下回る水準は通常ドル安を示唆し、これは一般的にリスク資産の支えとなる。
ビットコインが真の独立性した強さを発揮するには、他の資産のパフォーマンスを上回る必要があるが、現状はそうではない。
例えば、1BTCは現在金35オンス強に相当するが、史上最高値は2024年12月に記録された約40オンスだ。同様に、ビットコインは現在8万7000ポンド(約1740万円)で取引されているが、史上最高値は9万ポンドだ。株式市場では、ビットコインのS&P500とナスダック100に対する比率も、過去のピークを下回ったままだ。
こうした水準は長期的な抵抗ゾーンを表している。ビットコインがこれらを明確にブレイクすれば、真の価格発見が始まる可能性がある。ドル以外の主要資産と比較してビットコインを見なければ、実際のパフォーマンスを評価することは困難だ。

|翻訳・編集:林理南
|画像:BTC/XAU(TradingView)
|原文:Bitcoin’s Rally Reflects Dollar Weakness, Other Assets Highlight the Barriers Ahead