長期保有者の売却によってビットコインの上昇は停滞中

- ビットコインは10万8000ドルから12万3000ドル付近に急騰した後、11万7000ドルを下回るまで下落した。11万ドルから11万6000ドルの間では出来高は極めて少なかった。
- Glassnodeによると、長期保有者は19億6000万ドルの利益を上げ、今年最大の利益確定日の一つとなった。
ビットコイン(BTC)は7月14日の過去最高値12万3000ドル付近から下落し、11万7000ドルを下回り、ピーク時より約5%低い水準で取引された。これは、投資家が週末の上昇で得た利益を確定させたことによるもので、今年のビットコインにとって最大級の利益確定イベントとなった。
Glassnodeのデータによると、投資家は過去24時間で総額35億ドル(約5075億円、1ドル=145円換算)の利益を確定し、その大部分は長期保有者(155日以上前に購入した投資家)が獲得したもので、全体の56%を占めている。
最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは、10万8000ドルから12万3000ドルへと急騰した。この急騰の間、11万ドルから11万6000ドルの範囲ではほとんど取引が行われず、供給不足が顕著になっていた。
GlassnodeのUTXO実現価格分布(URPD)は、この動きを明らかにしている。これは、ビットコインが購入されたが売却されなかった量を表す、いわゆる未使用トランザクションアウトプット(UTXO)を測定するもので、ビットコインが最後に移動した価格を示している。

グラフのバーは、特定の価格帯で最後に変動したビットコインの量を示している。上記のエンティティ調整版は、各エンティティの全残高の平均購入価格を反映しており、同じエンティティが所有するアドレス間の内部取引は除外されている。内部取引は真の市場活動を反映するものではないからだ。また、取引所に保有されている供給量も除外している。これは、数百万のユーザーの資金を単一の価格ポイントに集約すると、データに歪みが生じるためだ。
右側の下落が示すように、供給量が最小なのはは11万ドルから11万6000ドルの間であり、市場はどちらの方向にも急激な変動に対して脆弱な状態が続いている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Rally Stalls as Long-Term Holders Cash Out