パキスタンとエルサルバドル、暗号資産を軸とするパートナーシップを締結
  • パキスタンとエルサルバドルは、暗号資産を軸とした知識共有パートナーシップを構築している。
  • パキスタンはIMFの監督下にあるにもかかわらず、暗号資産の統合を進めており、ビットコイン準備金と規制機関の設立を計画している。
  • ビットコインを法定通貨として採用した最初の国であるエルサルバドルは、IMFの反対にもかかわらず、ビットコインへの投資を継続している。

パキスタンとエルサルバドルは、初の正式な外交関係を構築し、その基盤を暗号資産(仮想通貨)に置いた。

パキスタンの暗号資産とブロックチェーン担当首相特別補佐官、ビラル・ビン・サキブ(Bilal Bin Saqib)氏は、エルサルバドルのナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領とサンサルバドルで会談し、暗号資産に焦点を当てた新たな知識共有パートナーシップの枠組みを発表した。これはブルームバーグが最初に報じた

この会談は、最近になって暗号資産の採用を開始したパキスタンにとって転換点となるものだ。同国は5月に石炭火力発電所の余剰電力をビットコイン(BTC)のマイニングに活用する方針を再表明し、先月にはストラテジー(Strategy)のマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏と暗号資産の国家準備資産における役割について協議した。

パキスタンは、国際通貨基金(IMF)の金融監督下にあるにもかかわらず、暗号資産への移行を進めている。IMFは最近、ビットコインマイニングのための電力補助金に関する提案を拒否した。

同国はビットコイン準備金の設立を目指しており、すでに2000メガワット(MW)をマイニングに割り当てている。また、5月には新たな規制機関「パキスタン・デジタル資産庁」を設立し、拡大する国内の暗号資産経済を監督する。

サキブ氏によると、パキスタンではすでに1500万から2000万人が暗号資産を保有しているとのことだ。

エルサルバドルは2021年にビットコインを法定通貨として採用した最初の国だ。IMFの反対にもかかわらず、ブケレ政権はビットコインの購入を継続しており、公開されている準備高は6200BTCを超え、約7億4500万ドル(約1117億5000万円、1ドル=150円換算)相当に上る。

サキブ氏はソーシャルメディアでブケレ氏を称賛し、「未来のリーダーであり、ビットコインを支援することがクールではなかった時代に、確固たる信念を持って立ち上がった人物だ」と述べた。

パキスタンは昨年、IMFから70億ドル(約1兆500億円)の融資を確保し、2027年まで厳しい財政改革を実施することが求められている。しかし、その圧力にもかかわらず、暗号資産を金融システムに統合する方針を堅持している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Bilal bin Saqib/X
|原文:Pakistan, El Salvador Form Crypto-Focused Partnership