予測市場ポリマーケット、独自ステーブルコイン発行を計画か
  • 暗号資産(仮想通貨)予測市場を手がけるポリマーケット(Polymarket)は、ユーザー向けに自社独自のステーブルコインを発行することを検討している。
  • ポリマーケットの閉鎖的なエコシステムにおいて、USDCを自社独自のステーブルコインに交換する機能を実現するだけで済むため、これは比較的容易だと、計画に詳しい関係者が述べた。
  • ポリマーケットの担当者は、ステーブルコインに関する決定はまだ下されていないと述べた。

最近10億ドル(約1470億円、1ドル=147円換算)の評価額を達成した、暗号資産を活用した予測市場のポリマーケットは、独自のステーブルコインを導入するか、プラットフォーム上で保有されるUSDコイン(USDC)の量に基づいてサークル(Circle)社との収益分配契約を結ぶか検討中だと、計画に詳しい関係者が明らかにした。

同関係者は、人気のベッティング(賭け)プラットフォームであるポリマーケットが独自のステーブルコインを発行する動機は、ベッティングに利用される大量のUSDCを裏付けている利回り生み出す準備金を、自ら保有するためだと説明した。

ポリマーケットの担当者は、ステーブルコインに関する決定はまだ下されていないと述べた。

先週米国で成立したステーブルコインに関する「ジーニアス法」によって、ステーブルコイン発行大手テザー(Tether)社とサークル社の成功を注視している暗号資産ネイティブ企業と伝統的な金融企業双方にとって、ステーブルコインの発行はより魅力的なビジネスとなった。

ただし、ステーブルコインの発行は多くの企業にとって複雑な課題であり、USDCの発行元であるサークル社は、急速に変化する市場で競争力を維持するため、取引所や決済企業、その他のフィンテック企業と収益分配契約を結んでいることが知られている。

ポリマーケットの場合、自社でステーブルコインを発行することは、規制面から見るとはるかに容易だと、関係者は述べている。

「ポリマーケットはベッティングプールに多くのステーブルコインの価値をロックしているため、何らかのメカニズムで利回りを得たいと考えている」と、関係者は述べ、次のように続けた。

「ポリマーケットの場合、閉鎖されたエコシステムであり、必要なのは、USDCやUSDTを独自のカスタムステーブルコインに交換できる機能だけである。オンランプとオフランプの最終段階を心配する必要はない。これは非常にシンプルに開発できるもので、セキュリティと管理も容易だ」。

サークルの広報担当者は、コメントの要請に即座には回答していない。

ポリマーケット上のUSDCの量はベッティング活動に応じて変動するが、昨年の米大統領選挙期間中には約80億ドル相当のベッティングが行われ、SimilarWebによると、5月には、ウェブサイトへの訪問数は約1590万回を記録した。

ポリマーケットは、米国拠点の顧客にプラットフォームでの賭けを許可した件に関する民事・刑事捜査の終了を受け、米国拠点のQCEXの買収を通じて正式に米国市場に再参入する方針である。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ポリマーケットのシェイン・コプラン(Shayne Coplan)CEO(Shutterstock/CoinDesk)
|原文:Crypto Prediction Market Polymarket Weighs Launching Its Own Stablecoin: Source