ストラテジー株に弱気なレバレッジETFが急騰──ビットコインとストラテジーの先行きに暗雲

- Defiance Daily Target 2x Short MSTR ETF(SMST)は先週19%急騰し、2月以来の好成績を記録した。
- このETFの長期にわたる弱気トレンドは2桁の上昇で終結した。強気の丸坊主ローソク足は、勢いの決定的な転換を示唆している。
- ストラテジー株の下落に賭けるこのETFは、過去6カ月で1630万ドルの純流入を記録したが、強気のETFは大幅な流出を経験した。
ストラテジー(Strategy)の株式にレバレッジをかけた弱気なエクスポージャーを提供するアメリカ上場のETF(上場投資信託)が先週急騰し、ビットコイン(BTC)とストラテジーの潜在的に弱気な見通しを示唆した。
TradingViewによると、ナスダックにSMSTのティッカーシンボルで上場されているDefiance Daily Target 2x Short MSTR ETFは19%上昇し、2月下旬以来の好調なパフォーマンスとなった。また、これは3週連続の上昇であり、2024年8月のETF上場以来初めてのことだ。
それだけではない。19%の急騰は、2024年9月の高値である2368ドル前後から20ドル未満への暴落を示す弱気トレンドラインを突破した。いわゆる強気のブレイクアウトは、長期の週足ローソク足チャートで明確に確認できる。SMSTのように指数関数的な価格変動を経験した資産には対数スケールが使用される。

マクロレベルのトレンドラインのブレイクアウトは、強気の丸坊主ローソク足という強力な強気シグナルに支えられており、先週は買い手が優勢であり、現在の勢いは明確に上向きであることを示している。強気の丸坊主ローソク足は、目立つ緑色の実体とヒゲがないことで識別され、買い手が優勢であることを示す。
トレーダーにとって重要なポイントは、SMSTがストラテジーとビットコインの見通しが暗いことを示唆しているということだ。ストラテジーは、記事執筆時点で62万8791BTC(時価総額で約710億ドル、約10兆6500億円:1ドル=150円換算)を保有する最大の上場ビットコイン保有企業だ。
この2倍ショートETFは、ストラテジー株の1日あたりの変動率の-200%、つまりマイナス2倍の投資成果を毎日達成することを目指している。つまり、このファンドはストラテジーに対する弱気なレバレッジ投資だ。
VettaFiのデータによると、このETFは過去6カ月で1630万ドル(約24億4500万円)の純流入を記録した。一方、強気なレバレッジファンドであるDefiance Daily Target 2x long MSTR ETF(MSTX)は、2億7500万ドル(約412億5000万円)を超える純流出を記録した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Leveraged Bearish Strategy ETF Surges 19%, Signals Dour Outlook for MSTR and Bitcoin