ビットコインのボラティリティ、2023年10月以来の低水準に

- ビットコインのインプライド・ボラティリティは数年ぶりの低水準まで低下し、価格とは逆方向に動いている。
- ボラティリティのパターンの変化は、ビットコインがウォール街の動向をますます反映していることを示唆。
ビットコイン(BTC)が11万ドルから12万ドルの間で値動きが鈍化し、価格が停滞する中、ボラティリティの急低下が続いている。
データソースのTradingViewによると、VolmexのBVIV指数で表される、この暗号資産(仮想通貨)の30日インプライド・ボラティリティ(IV)は、6日の遅くに年率36.5%まで低下し、ビットコインが3万ドルを下回って取引されていた2023年10月以来の水準に達した。
IVが数年ぶりの低水準となったことは、米国の経済データがスタグフレーションへの懸念を高めているにもかかわらず、オプショントレーダーがまだヘッジを急いでいないことを示唆している。価格変動をヘッジしたり価格変動から利益を得たりするために用いられる契約であるオプションへの需要は、資産のIVの主要な要因だ。

株式についても同様のことが言え、VIX指数は1日に17から21へと急上昇したが、その後反転した。VIXはS&P500の30日IVを測定する。
BTCは株式市場のボラティリティパターンを反映
ビットコインのIVは数カ月にわたって下落傾向にあり、11月以降に7万ドルから11万ドル超まで急騰したこの暗号資産の価格とは逆方向に動いている。
この負の相関関係は、ビットコインの市場ダイナミクスにおける根本的な変化を示している。歴史的に、ビットコインのボラティリティと現物価格は連動し、強気相場と弱気相場の両方でボラティリティが上昇していた。
現物価格とボラティリティの相関関係の変化は、アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のコールオプションの売却を含む仕組み商品の人気の高まりに一部起因していると、アナリストたちはCoinDeskに述べた。
この新たな動向は、安定した強気相場の中ではIVが低下することが多いウォール街のパターンを、ビットコインがますます反映していることを示唆している。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:jarmoluk/Pixabay
|原文:Bitcoin’s Volatility Disappears to Levels Not Seen Since October 2023