週末のビットコイン高騰によるCMEの窓に注意
  • CMEビットコイン先物は9日金曜日に11万7430ドルで取引を終え、現物価格が週末に11万9000ドルに達したことで窓が生じた状態で11日月曜日に取引が再開された。
  • トレーダーらは窓は埋まることが多いと警告しているが、史上最高値付近での強いモメンタムは、窓が開いたままになる期間が長い「ランナウェイギャップ」を生み出す可能性がある。

ビットコイン(BTC)は、週末の急騰で史上最高値の12万3000ドル(約1784万円、1ドル145円換算)に迫ったことを受けて、重力に逆らう展開になる可能性がある。CME先物価格には金曜日の終値と月曜日の始値の間に窓(ギャップ)が残されている。

CMEビットコイン先物は9日金曜日に11万7430ドルで取引を終え、11日月曜日には11万9000ドルで取引を開始した。歴史的にビットコインはこうした窓を埋める傾向がある。価格が両水準の差を埋める方向に引き戻されることが多いということだ。これは窓形成後の数日、あるいは数時間以内に発生する可能性がある。

暗号資産トレーダー兼投資家のダーン・クリプト・トレーズ(Daan Crypto Trades)氏はX(旧ツイッター)への投稿で、「これまで生じた窓の多くは当日中に解消されたが、今回の窓は過去のものよりも少し大きく動いた」と述べた。

24時間取引される現物市場とは異なり、CME先物は日曜日夕方から金曜日夕方まで1日23時間取引される。1日に1時間の取引休止中や週末に大幅な価格変動が発生すると、トレーダーがCMEギャップと呼ぶ事象が生じる。

ダーン氏は、ビットコインは現在価格発見に近づいていると指摘した価格発見とは、資産が過去の史上最高値を超え、未知の領域で取引される際に始まる市場の段階だ。このような状況では窓はランナウェイギャップとなる可能性がある。これは少なくとも短期的には勢いが非常に強く、市場が同じ方向のトレンドを続けて窓を埋めに戻らない状況を指す。

ダーン氏は、「この窓には注意しておくべきだ」とし、「価格が窓を埋めれば、きちんとした反転エリアとなる可能性がある。しかし、価格が再び少なくとも1~2%ほどの範囲内に入る、つまり12万ドル程度を下回らない限り、完全に窓埋めを確信しない」と述べた。

月曜日のアメリカ市場オープンに向けて、トレーダーらはこの窓が埋まり始めるのか、それともビットコインの強気な勢いが12万3000ドルを一気に突破して史上最高値を更新するのかを注視している。少なくとも現時点では、この窓が埋まらずにそのまま上昇する可能性もある。

|翻訳・編集:林理南
|画像:TradingView
|原文:Watch Out Below: Bitcoin’s Weekend Surge Leaves CME Gap