コインベース、イーサリアムに特化した主要なプレイヤーに:バーンスタイン
  • イーサリアムの価格は、サークル(Circle)社の上場と、イーサリアムネットワーク上でのステーブルコイン発行を要因として、6月5日以降80%上昇した。
  • コインベース(Coinbase)は、同社のレイヤー2チェーンであるベース(Base)やステーキングから、イーサリアムベースの収益を得ており、イーサリアムの成長から恩恵を受けていると、バーンスタイン(Bernstein)のレポートは指摘した。
  • バーンスタインは、イーサリアムのアウトパフォーマンスがアルトコインの上昇を示唆するシグナルであり、コインベースはイーサリアムや関連トークンの価格上昇から恩恵を受ける立場にあると述べた。

ウォール街の証券会社バーンスタインは8月11日発表のリサーチレポートで、イーサリアムが拡大するエコシステムを支え続ける中、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは、イーサリアムブロックチェーンと関係する主要な上場企業の一つとして際立っていると述べた。

同レポートによると、イーサリアムネットワークのネイティブトークンであるイーサリアム(ETH)は、6月5日以降80%上昇した。これは、サークル社の上場と、ほとんどのステーブルコインがイーサリアムネットワーク上で発行されているという市場の認識がきっかけとなったものである。

ガウタム・チュガーニ(Gautam Chhugani)氏率いるアナリストたちは、コインベースがイーサリアム上で最大のレイヤー2チェーンの一つであるベースを運営しており、これはステーブルコイン、取引、金融アプリケーション、消費者向けサービスを含む、1日あたり900万件以上の取引を処理していると指摘した。

ベースにはネイティブトークンはないが、取引のガス代はイーサリアムで決済されるため、コインベースはシーケンサー手数料をイーサリアムで獲得できる。これが、年間7500万ドル(約111兆円、1ドル=148円換算)の収益ランレートに貢献している、とアナリストたちは述べた。

バーンスタインによると、取引手数料に加え、ベースはトークンの展開においても主要なチェーンとなっている。コインベースがベース上のすべてのトークンを取引所プラットフォームに統合することを決定したことで、取引活動が大幅に増加し、イーサリアム建ての仲介手数料もさらに押し上げられた。

暗号資産の売買、保有、送金(ステーブルコイン決済を含む)のための消費者向けウォレットである「Base App」のローンチは、コインベースのイーサリアムとそのエコシステムへのエクスポージャーをさらに強化するものである。

事業活動に加えて、コインベースは5億9000万ドル相当の13万6782ETHという大量のイーサリアムを保有しており、同社がイーサリアムの価格上昇から直接的な恩恵を受ける立場にあると、バーンスタインは指摘した。

コインベースが第2四半期の決算報告で強調したように、7月の取引手数料は、イーサリアム取引活動の増加に牽引され、第2四半期の平均と比較して約40%急増した。

同レポートは、この急増がイーサリアムを取り巻く広範な市場の興奮を反映しているとし、コインベースには250以上のトークンが上場されていることから、同取引所はより広範なイーサリアムのエコシステムの成長から利益を得る態勢が整っている、と付け加えた。

バーンスタインは、コインベース株に対して「アウトパフォーム」の格付けを維持し、目標株価を510ドルとしている。当記事執筆時点で、コインベースの株価は4%上昇し、約323ドルで取引されている。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Sergei Elagin / Shutterstock.com
|原文:Coinbase Is Becoming a Major Ethereum-Focused Player, Bernstein Says