ビットコインのボラティリティ、急上昇──嵐の前の静けさか
  • ビットコイン(BTC)のボラティリティ指数であるDVOL指数が37に急上昇した。これは、先週の26という低水準からの上昇であり、歴史的に価格の大幅な変動の予兆とされている。
  • 週末に現物取引主導で価格が11万6000ドルから12万2000ドルへと上昇したことは、未決済建玉(オープン・インタレスト)が減少傾向にある中で、市場の根本的な強さを示唆している。

ビットコイン(BTC)のインプライド・ボラティリティ(IV)は8月11日、33から37へと上昇した。これは、数年来の低水準からの顕著な上昇であり、市場の長い平穏な時期が終わりに近づいている可能性を示すシグナルである。

伝統的市場のVIX(恐怖)指数をモデルにしたDeribit Volatility Index(DVOL)は、ビットコインオプションの30日間インプライド・ボラティリティを追跡しており、現在は数週間ぶりの最高水準にある。

インプライド・ボラティリティは、オプション価格から算出される、市場が予測する価格変動を表すものである。正式には、IVは資産の年間予想変動の1標準偏差の範囲を測定する。実現ボラティリティとともに上下することが多いアット・ザ・マネー(ATM)IVを追跡することは、センチメントの正規化された解釈を提供する。

先週、ビットコインの短期IVは約26%まで減少し、オプションデータの記録が始まって以来の最低水準の一つを記録した後、急激に反発した。ボラティリティがこれほど低かったのは直近では2023年8月であり、ビットコインは急騰する直前に3万ドル付近で推移していた。

ビットコインは週末にかけて、11万6000ドルから12万2000ドルへと急騰した。これは、ボラティリティが拡大し始めると何が起こり得るかを示唆している。8月は伝統的に取引高が少なく、市場活動が抑制される時期であるが、IVの上昇は、トレーダーが今後より大きな動きに備えている可能性を示唆している。

Checkonchainのデータは、この最新のラリーが現物主導の動きであったことを示しており、これは純粋なレバレッジ主導の急騰よりも健全な市場構造である。未決済の建玉は8月を通して減少傾向にあるため、センチメントが変化した場合、レバレッジの急な流入が価格変動を増幅させる可能性がある。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ビットコインのインプライド・ボラティリティ(Glassnode)
|原文:Calm Before the Storm Expected as Bitcoin Volatility Wakes Up