- 米国のインフレデータは、9月の利下げへのすでに高い期待をさらに押し上げた。
- トム・リー(Tom Lee)氏率いるビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(Bitmine Immersion Technologies)は、追加のイーサリアム購入のため、200億ドルという巨額の資金調達を目指している。
- イーサリアム現物ETF(上場投資信託)は8月11日、10億ドルを超える日次流入を記録し、ビットコインETFを上回る需要が続いた。
イーサリアム(ETH)は、過去24時間で5%上昇し、4470ドルとなり、2021年12月以来の高値を記録した。
暗号資産(仮想通貨)市場全体の強気の動きを後押ししたのは、12日朝に発表された米消費者物価指数(CPI)のレポートであった。データはまちまちであり、インフレ率は依然として連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%を上回っているものの、市場参加者は9月に開催される次回の会合で、FRBが利下げに踏み切るという見込みをさらに引き上げた。
特にイーサリアム価格を押し上げたのは、拡大する企業トレジャリー戦略における大きな動きであった。すでに約50億ドル(約7400億円、1ドル=148円換算)相当のイーサリアムを保有しているトム・リー氏率いるビットマインが、さらなる購入のために最大200億ドルの資金を調達する計画を公表したのだ。
この動きは、イーサリアムの数カ月にわたる上昇をさらに拡大させた。イーサリアムは、長年の深刻な相対的弱さの後、最近ではビットコインをアウトパフォームし続けている。ETH/BTC比率は12日に0.37を超え、過去1カ月で50%近く上昇したが、それでも前年比では15%減少している。
ここ数週間の主要な牽引役は、米国のイーサリアム現物ETFへの資金流入の急増であった。11日には、イーサリアムETFが日次流入額で過去最高の10億ドルを記録し、ビットコインETFを上回った。
IGのシニアテクニカルアナリストであるアクセル・ルドルフ(Axel Rudolph)氏は、「ビットコインの動きが抑制されているのに対し、本日のイーサリアムは4%を超える上昇を見せた。これは、市場がイーサリアム独自の強力な要因に焦点を当てていることを反映している」と語り、次のように続けた。
「米国のCPI発表後のETH現物ETFへの機関投資家からの資金流入と、イーサリアムネットワークの最近のアップグレードに対する信頼の高まりは、ビットコインを支えるより広範なマクロ主導の勢いよりも、投資家にとってはるかに説得力のあるものであることが証明されている」。
支持者たちは、イーサリアムを「ウォール街のブロックチェーン」と呼ぶことが増えている。これは、資産のトークン化、分散型金融プラットフォームのホスティング、そして伝統的な市場インフラに似た決済システムの運用における、その中心的な役割を意識してのものだ。
FRBがトレーダーたちが見込む利下げを実行すれば、金融緩和、ETFへの強い需要、そして大口投資家による戦略的なポジショニングの組み合わせが、イーサリアムの上昇をさらに後押しする可能性がある。ただし、過去の上昇相場と同様に、下落する際のボラティリティも同様に激しくなる可能性がある。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:8月12日のイーサリアムの値動き(CoinDesk)
|原文:Ether Pumps to 5-Year High of $4.47K Alongside Tom Lee’s Massive ETH Treasury Bet and Fed Rate Cut Hopes


