コインベース、ステーブルコイン資金提供プログラムを再開──DeFiの流動性強化図る

- 2019年に初めてローンチされたコインベース(Coinbase)の「ステーブルコイン・ブートストラップ・ファンド(Stablecoin Bootstrap Fund)」が復活する。これは、分散型金融(DeFi)プロトコルにおけるステーブルコインの流動性を強化することを目的としている。
- このプログラムはまず、アーベ(Aave)、モルフォ(Morpho)、カミノ(Kamino)、ジュピター(Jupiter)といったプラットフォームに、ステーブルコインのUSDCおよびEURCで資金を割り当てた。
- DeFiセクターは急速に成長しているが、市場規模は2021年のピークをまだ下回っている。
暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは8月12日、「ステーブルコイン・ブートストラップ・ファンド」を復活させ、分散型金融(DeFi)市場におけるステーブルコインの流動性を高めることを目指すと発表した。
ブログ投稿によると、この取り組みはコインベース・アセット・マネジメント(Coinbase Asset Management)によって管理され、アーベ、モルフォ、カミノ、ジュピターへのデプロイメントから開始される。
コインベースは2019年に初めてこのプログラムを開始し、USDコイン(USDC)の流動性においてプロトコルを支援した。その取り組みは、ユニスワップ(Uniswap)、コンパウンド(Compound)、dYdXといった初期のプラットフォームを支え、DeFiエコシステムにおけるUSDCの先駆的な役割を支えた。USDCは現在も、この分野で最も広く使用されているステーブルコインである。
この新たな取り組みでは、確立されたプロトコルと新興プロトコルの両方に資金が割り当てられ、ユーザーが安定した利回りと効率的な市場にアクセスできるようにすることを目指している。
コインベースは、ファンドの規模や各デプロイメントの具体的な金額は明らかにしていないが、同社の広報担当者はCoinDeskに対し、さらなる拡大の前に複数のネットワークで試すだろうと語った。現在ファンドはUSDCと、サークル(Circle)社のユーロ連動型ステーブルコインであるEURCで資本を提供していると、同社は付け加えた。
コインベースのこの動きは、暗号資産市場が活況を呈し、米国での規制上の逆風が和らぐ中で、DeFiセクターの成長が加速している時期に行われた。DefiLlamaのデータによると、DeFiプロトコル全体で保有されている資産は合計で約2000億ドル(約29兆円、1ドル=147円換算)に達し、4月からほぼ倍増したが、2021年のピークはまだ下回っている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Iryna Budanova / Shutterstock.com
|原文:Coinbase Revives Stablecoin Funding Program to Bolster DeFi Liquidity