ビットコインの実現価格が200週移動平均を上回る──長期的な強気相場の始まりか?

- ビットコインの実現価格は、2022年6月以来初めて、約3年間下回っていた200週移動平均を上回った。
- 過去のサイクルでは、このクロスオーバーは2017年と2021年の強気相場のような大きな上昇の始まりを告げるものだった。
ビットコイン(BTC)は12万4000ドルを突破し、2025年で4回目の史上最高値更新となった。
グラスノード(Glassnode)のオンチェーンデータは、これが継続的な強気相場の初期段階を示している可能性を示唆している。
この見解を裏付ける重要な指標は実現価格で、すべてのビットコインが最後にオンチェーン上で移動された価格の合計を流通量で割ったものだ。この指標は現在5万1888ドルで、ビットコインの200週移動平均(200WMA)を上回った。200WMAは、弱気相場と強気相場の境界線と見られる長期的なトレンドラインだ。

歴史的に見ると、2017年と2021年のサイクルのように、実現価格が200WMAを上回り、さらに上昇を続けると、上昇トレンドはより長期間持続する。200WMAは現在5万1344ドルで、弱気相場の底値を定義してきた長期的なサポートレベルとして機能している。
この水準は、市場が極度のストレスにさらされた時期にのみ突破される。直近の例は、2022年の弱気相場終盤、FTXの崩壊によりビットコインが急落した時だ。実現価格は2022年6月に200WMAを下回り、その後、3年近くその水準で推移した後、2025年に回復した。
200WMAを再び上回ったことは、投資家の信頼回復と市場構造の変化を示唆しており、重要な意味を持つ。
過去のパターンが当てはまるとしたら、このテクニカルな展開は持続的な上昇の前兆となる可能性がある。マクロ経済状況と機関投資家の関心が一致すれば、ビットコインの最近の値動きは、次の大きな成長局面の幕開けとなるだろう。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Realized Price Breaks Above 200WMA, Signaling More Room to Run