- ビットコインの実現時価総額(トークンを移動時にのみ評価)は7月に1兆ドルを超え、現在は過去最高の1兆500億ドルに達している。
- この増加は、すべてのトークンを現物価格に基づいて再評価する時価総額の減少とは対照的だ。
- この指標は、ビットコイン保有者が持つ自身の投資に対する確信を理解する上で手がかりとなる。
ビットコイン(BTC)の実現時価総額(各コインの最後に取引された価格での価値を測定するオンチェーン指標)は、現物価格の下落にもかかわらず上昇を続けている。これは、投資家がビットコインネットワークに対して確信を持っていること、そしてビットコインの経済的基盤が強化されていることを示している。
グラスノード(Glassnode)のデータによると、実現時価総額は7月に初めて1兆ドル(約145兆円、1ドル145円換算)を突破した後、現在は過去最高の1兆500億ドルに達している。現物価格が史上最高値の12万4000ドル付近から約12%下落しているにもかかわらずだ。現物価格が下落する場合、すべてのコインが現在の価格で計算するため時価総額が減少するが、実現時価総額はコインが消費されてオンチェーンで価格が付け直された場合にのみ調整される。
実現時価総額モデルでは、休眠ウォレットの保有分、長期保有者、そして失われたコインが安定装置として機能し、短期的な価格動向がマイナスに転じた場合でも大幅なドローダウンを防ぐ。その結果、投資家の真の確信とブロックチェーンに投入された資本の厚みをより適切に反映する指標となる。
過去のサイクルでは、実現時価総額ははるかに急激なドローダウンを経験した。2014~2015年と2018年の弱気相場では、長期にわたる投げ売りによって大量のコインの価格が下方向に付け直され、実現時価総額は20%も下落した。グラスノードのデータによると、2022年でさえこの指標は18%近くのドローダウンを経験した。
今回は対照的に、現物価格では2桁の調整が起きたにもかかわらず、実現時価総額は増加している。これは、現在の市場がはるかに回復力のある基盤によってボラティリティを吸収していることを浮き彫りにしている。
|翻訳・編集:林理南
|画像:ビットコイン実現時価総額のドローダウン(グラスノード)
|原文:Bitcoin’s Realized Capitalization Climbs to Record High Even as Spot Price Drops


