- ワールド・リバティ・フィナンシャルは、厳しい市場デビュー後の信頼回復のため、買い戻し・バーンプログラムを提案。
- 同プログラムは、流動性手数料を利用してWLFIトークンを購入してバーンすることで、トークン供給量を削減することを目的としている。
- 別のコミュニティ提案では、ロックされたトークンの自動ステーキングが提案されているが、バーン計画ほどの支持は得られていない。
トランプ一族関連のDeFiプロジェクト「ワールド・リバティ・フィナンシャル（World Liberty Financial）」は、WLFIトークンの前途多難な取引デビュー後の信頼回復のため、新たなトークノミクス戦略を提案している。それは、プロトコルが保有する流動性手数料を資金とする買い戻し・バーン（焼却）プログラムだ。
同提案は、WLFIがバイナンス（Binance）、OKX、アップビット（Upbit）、コインベース（Coinbase）、ビッサム（Bithumb）などの主要取引所で大々的に宣伝された取引デビューの後、市場の厳しい逆風に直面している中で行われた。
CoinGeckoによると、WLFIは現在約23セントで取引されており、前日比24%下落、時価総額は約63億9000万ドル（約9457億円、1ドル148円換算）。ローンチ当初、このトークンは先物市場で一時400億ドル（約5兆9200億円）超の評価額を記録したが、その後売り手によって価格が押し下げられた。
2日に発表されたガバナンス提案によると、イーサリアム（Ethereum）、バイナンス・スマート・チェーン（Binance Smart Chain）、ソラナ（Solana）上のWLFIの流動性ポジションから得られた手数料を使用して、公開市場でWLFIを購入し、バーンアドレスに送金される。このメカニズムにより、トークンは流通から永久に排除され、供給量が時間の経過とともに減少する。
「このプログラムは、WLFIの長期的な成長にコミットしていない参加者が保有するトークンを流通から排除する」とチームは記し、この設計は、長期保有者をプロトコルの成長軌道に適合させるものだと主張した。
この措置は、WLFI自体の流動性によって生み出された手数料にのみ適用される。サードパーティまたはコミュニティの流動性プロバイダーは影響を受けない。
手数料を金庫とバーンに分割するなどの代替案も検討されたが、却下され、バーンに100%割り当てることで効果を最大化することが支持された。
WLFIのデフレナラティブ
WLFIの支持者たちにとって、このバーン提案は供給過剰のナラティブから人工的な希少性のナラティブに転換する狙いがある。取引活動の増加は手数料の増加を意味し、結果として流通からより多くのWLFIが排除されることになる。
同時に、別のガバナンス提案も浮上している。今回はチームではなくコミュニティからの提案で、WLFIトークンの80%をロックしたままプールに自動的にステーキングし、報酬は20%のコミュニティ準備金から引き出すというものだ。
支持者たちは、同提案によりアイドル状態の供給が生産的な資産に変換され、売り圧力が軽減されると主張しているが、批判派は、これは真の利回り創出ではなく再分配に過ぎないと警告している。
この計画はフォーラムで依然として議論されており、公式のバーン提案と比べると支持を得られていない。
市場の逆風やフォーラム上の一部のトークン保有者からの批判にもかかわらず、WLFI陣営には著名な支援者がいる。トロン（Tron）の創設者であるジャスティン・サン（Justin Sun）氏は、Xで同プロジェクトへの支持を引き続き表明しており、「暗号資産（仮想通貨）分野における最大かつ最も重要なプロジェクトの一つ」と呼び、自身のアンロック済みトークンを売却しないと誓っている。
アーカム・インテリジェンス（Arkham Intelligence）のデータによると、WLFIの金庫には1378万ドル（約20億4000万円）のトロン（TRX）が保有されている一方、サン氏は約6億9300万ドル（約1025億6400万円）相当のWLFIトークンを保有し、その多くはベスティング（権利確定）契約でロックされており、同プロジェクトにおけるサン氏の長期的な関与を裏付けている。
｜翻訳・編集：廣瀬優香
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｜原文：Trump-Linked World Liberty Team Floats Buyback-and-Burn Plan as WLFI Sinks
