- ビットコインを7年から10年保有している層は現在、供給量の8.1%を保有しており、これは2019年以来で最も高い水準だ。一方で、10年以上保有している層の保有割合も17%に上昇した。
- 中期保有者(5年から7年)は着実に売りを進めており、2023年初頭以降でその保有割合は10%から5%に減少している。
グラスノード(Glassnode)の長期保有の波(HODL Waves)は、ビットコイン(BTC)の供給量が保有年数別にどのように分布しているかを視覚化している。各色の帯は、最後の移動が凡例に示された期間内だったビットコインの割合を示している。
ビットコイン価格の下落にまつわる最近のナラティブ(物語)は、古参勢のクジラ(多額の残高を持つ長期保有者)によるコイン売却に焦点を当てている。これは部分的には事実であり、ギャラクシー(Galaxy)経由で8万BTCの取引が行われたことや、この数カ月間でほかにも顕著な動きが見られることで浮き彫りになった。加えて、ビットコインは過去12カ月で10万ドル(約1450万円、1ドル145円換算)の節目を突破しており、この水準が多くの投資家による売りの引き金になった可能性が高い。
しかしグラスノードのデータは、この売りは支配的なストーリーではないことを示している。7年から10年保有されたコインは現在供給量の8.1%以上を占めており、2019年以来で最も高い水準となっている。総流通供給量は減少し続けているが、この層の増加は、コインが売られるよりも早いスピードで古い供給量が蓄積されていることを示している。
10年以上保有している層もこの傾向を強めている。この層は現在供給量の約17%を保有しており、その割合は時間の経過とともに増加を続けている。
これに対して、5年から7年保有している層の保有割合は減少傾向にある。2023年初頭には供給量の約10%を保有していたが、現在は5%まで低下した。これらのコインの多くは2019年から2020年にかけての期間、特に新型コロナウイルスによる暴落時にビットコインが3000ドル(約44万円)前後で取引されていた時期に取得された。このグループは着実に保有するコインを売っているようだ。
つまり、古参勢のコインは確かに売られているが、多くの古いウォレットが売っているというより広範なナラティブは誇張されているようだ。データはより微妙な状況を示しており、一部の中期保有者が利益確定しているにもかかわらず、より古い層は引き続き供給量に占める割合を増加させている。
|翻訳・編集:林理南
|画像:ビットコインHODLの波(グラスノード)
|原文:Bitcoin’s Old Guard Still Growing Despite Whale Selling


