- Stripe(ストライプ)とParadigm(パラダイム)が共同開発の独自ブロックチェーン「Tempo」を発表、すでにプライベートテストを実施中だ。
- Visa、ドイツ銀行、Shopify、Nubank、OpenAI、Revolutなどが設計に参加。
- クロスボーダー決済の変革を狙うステーブルコイン特化型ブロックチェーンの競争に加わった。
米決済大手ストライプと暗号資産投資会社パラダイムは9月4日、共同開発の独自ブロックチェーン「Tempo」を正式に発表した。Tempoはステーブルコイン決済に特化したブロックチェーンだ。
同プロジェクトはストライプ社内でスタートし、同社が既存の金融アプリケーションで扱うのと同等の規模を処理できるよう設計されており、1秒あたり数万件のトランザクションを処理できるとCEOのパトリック・コリソン(Patrik Collison)氏はXに投稿した。
プロジェクトには、AIスタートアップのAnthropic(アンソロピック)、ドイツ銀行、米フードデリバリー大手のDoorDash(ドアダッシュ)、ブラジルのデジタル銀行Nubank(ヌーバンク)、AI大手のOpenAI、フィンテック企業のRevolut(レボリュート)、ECプラットフォームのShopify(ショッピファイ)、Standard Chartered(スタンダードチャータード)、Visa(ビザ)といった大手企業がパートナーとして参画し、設計に協力しているとコリソンCEOは付け加えた。
「Tempoが決済受付、グローバル支払い、送金、マイクロトランザクション(少額決済)、トークン化預金、AIエージェントによる決済などを容易にし、オンチェーン化を促進することを期待している」(コリソンCEO)
Tempo(8月に求人情報によってその存在が明らかになった)は、ますます激化するステーブルコイン決済をめぐるブロックチェーン開発競争に加わる。
ステーブルコイン決済の市場機会は極めて大きいと期待されている。現在、ステーブルコインの市場規模は約2700億ドル(約40兆円、1ドル148円換算)。将来的には1兆ドル規模へと成長し、銀行インフラに代わる安価で、高速な決済手段としてグローバル決済を変革すると期待されている。
コリソンCEOは、既存のブロックチェーン、例えば高速なSolana(ソラナ)のようなものでも、ストライプが求める処理能力や決済ニーズに合致しないため、Tempoが必要だと述べた。
Tempoは1秒あたり10万件のトランザクションを目標にしており、手数料をネイティブトークンではなくステーブルコインで支払えるほか、発行者間の中立性を確保するために自動マーケットメーカー(AMM)が組み込まれている。またEVM(Ethereum Virtual Machine)互換で、イーサリアム実行クライアント「Reth」を活用して構築されている。
Tempoは独立した事業体で、ストライプとパラダイムは初期投資家となっている。パラダイムCEOのマット・フアン(Matt Huang)氏が15人のチームを率いている。
「我々は分散化と中立性の原則に基づいてTempoを構築している」とフアン氏はXに投稿した。つまり、多様なバリデーターの参加でローンチし、将来的にはパーミッションレスモデルへの移行を計画しているという。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Shutterstock
|原文:Stripe, Paradigm Unveil Tempo as Blockchain Race for High-Speed Stablecoin Payments Heats Up
※編集部より:本文を一部修正して、更新しました。9月5日19:37


