- インプライド・ボラティリティ（IV）は5月の約50から38まで低下し、2023年のパターンと類似。
- 市場は歴史的に、IVの長期にわたる圧縮は爆発的な動きの前兆となることが多いことを示しており、10月が再び転換点となる可能性が高い。
強く引き絞られてピンと張った弓の弦が、突然力強い音を立ててエネルギーを解放するように、ビットコイン（BTC）は2023年のパターンを反映して、10月の激しい価格変動に向けてエネルギーを蓄えているようだ。
暗号資産（仮想通貨）市場は最近、停滞しており、ビットコインは11万ドルから12万ドルの間で推移している。これがボラティリティの予想を低下させている。例えば、30日間のインプライド・ボラティリティ（IV）を測定するVolmex FInanceのBVIV指数は、年率38%に低下し、8月下旬に一時41%まで急上昇した後に反転した。この指数は、4週間前に記録した2年ぶりの低水準である36%を試す軌道にあるようだ。
IVは将来のボラティリティに対する市場の予想を示す。これはオプション価格から算出され、原資産の1年間の予想価格変動の1標準偏差の範囲を反映している。アット・ザ・マネー（ATM）IVを時系列で追跡することで、実現ボラティリティや広範な市場センチメントと一致する傾向がある、市場予想の標準化した見方が得られる。
IVの最新の傾向は、2023年夏の状況と類似しており、当時IVは約50から35へと急落。その期間、IVは10月まで圧縮されたままで、ビットコインは2万5000ドル前後で底を打った後、2024年初めのビットコイン現物ETF（上場投資信託）のローンチ直前の年末までに約4万6000ドルまで上昇した。
このパターンは、IVの平均回帰的な性質と一致していた。言い換えれば、ボラティリティは長期間の停滞後に上昇し、どちらかの方向に大きく変動した後にピークに達する傾向がある。
ボラティリティの最近の圧縮は、市場が将来の価格変動を過小評価していることを示唆している。歴史がガイドになるなら、10月は再び転換点となり、ビットコインが大幅な価格変動、おそらく上昇を経験し、IVが急上昇する可能性がある。なぜなら、歴史的に第4四半期はビットコインにとって最も強い四半期であり、平均約85%の上昇を記録しているからだ。
｜翻訳・編集：廣瀬優香
｜画像：インプライド・ボラティリティ（TradingView）
｜原文：Echoes of Summer 2023: Bitcoin’s Volatility Set to Surge
