ビットコインは11万2500ドル付近で停滞─クジラが積極的に売却している
  • 1BTC未満から1万BTC以上まで、あらゆるウォレットが売却に動いており、中でもクジラが最も積極的に売却している。
  • 長期保有者の供給は減少しており、1年以上保有者の供給は70%から60%に、2年以上保有者の供給は57%から52%に減少した。一方、5年以上保有者の供給は横ばいとなっている。

ビットコイン(BTC)は11万ドルから12万ドルのレンジで停滞する一方、ゴールド(金)と米国株は史上最高値付近で推移している。

Glassnodeのコホート別蓄積トレンドスコア(Accumulation Trend Score)によると、すべてのウォレット層で売り圧力が顕著だ。この指標は、保有者(エンティティ)の規模および過去15日間に取得されたコインの量の両方に基づく蓄積の相対的な強さを計測する。値が1に近いほど蓄積を示し、値が0に近いほど供給(売却)を示す。この数値には取引所とマイニング事業者は含まれていない。

現在、1BTC未満のウォレットから1万BTC以上を保有するクジラまで、あらゆる層がビットコインを売却している。特にクジラは、過去1年間で最も積極的な売却を示している。

Trend Accumulation Score by Cohort (Glassnode)
[コホート別トレンド蓄積スコア。:Glassnode]

長期保有者の供給量を見ると、少なくとも1年間移動していない流通供給量の割合は70%から60%へと急落した。ピークは2023年11月で、ビットコインが4万ドル近辺で取引されていた時期だ。同時に2年以上の保有者も売却を開始し、その割合は57%から52%に低下した。

BTC: Supply Last Active 1year+ (glassnode)
[ビットコイン・1年以上前に最後に動いた供給量。:Glassnode]

3年以上の保有層は現在43%強で、2024年11月以降着実に減少している。これらのウォレットは主に、前回サイクルの頂点だった2021年11月の約6万9000ドルで買い入れた層で、その多くは2022年の弱気相場で価格が1万5500ドルの安値をつけた際にさらに積み増した。ビットコインの回復に伴い、これらの投資家は利益を確定させている。

対照的に、5年以上保有する層は安定を保っており、最も長期の投資家が売却に参加していないことを示している。

この傾向は、今回のサイクルで含み益を持つ投資家が利益確定を継続しており、売り圧力を増大させていることを示している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Stalls Around $112K as Whales Lead Wave of Selling

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