KJRマネジメントと三菱UFJ信託銀行は9月29日、Progmat社がライセンス提供するデジタルアセット発行・管理基盤「Progmat(プログマ)」を活用した、不動産セキュリティ・トークン(ST)の公募に関して協業し、募集・発行を完了したと発表した。
今回発行された「KJRM・リアルティ・トークン 汐留シティセンター(デジタル名義書換方式)」は、東京都港区の超高層オフィスビル「汐留シティセンター」を裏付け資産とする不動産ST。ビルの持分を証券化し、証券情報や取引情報の管理を「Progmat」で行う。
リリースによると、STの公募発行額としては約314億円と国内最大規模となった。
8月末には、世界最大級のホテルチェーン「マリオット・インターナショナル」が運営する大阪のラグジュアリーホテル「W OSAKA」を裏付け資産とした「ケネディクス・リアルティ・トークン W OSAKA(デジタル名義書換方式)」が約280億円で募集・発行されており、300億円規模の大型ST案件が続いた形となる。
両案件はいずれも、ブロックチェーン技術を活用し、個人投資家に対して従来では不可能だった大規模不動産(超高層オフィスビル、高級ホテル)への小口投資の機会を提供した。
日本のセキュリティ・トークン市場は、発行金額の大部分を占める不動産STを中心に成長している。最近では、非上場株式に投資できるSTや、一気通貫型のサービスを提供する事業者も登場している。
グローバルでも、RWA(現実資産)トークン化は大きな潮流となっており、今後の進展が一層注目される。
|文:増田隆幸
|画像:リリースより


