アクセンチュア、貿易金融ブロックチェーンに投資——国家デジタル通貨開発に続き

アクセンチュア(Accenture)は、貿易金融ブロックチェーンスタートアップのトレードIXと提携で合意し、マルコ・ポーロ・ネットワーク(Marco Polo Network)のオンボーディング・パートナーとなった。

今回の合意はアクセンチュア・ベンチャーズ(Accenture Ventures)による、トレードIXへの非公開の出資と同時に結ばれたと、両社は2019年12月17日(現地時間)に発表した。アクセンチュアは、トレードIXが貿易金融での買い手と売り手のための銀行業務以外で新しいユースケースを生み出すことを支援する。

「多くの企業と話すなかで、我々ができることはまだまだあるとういうことが明らかになりました」と、トレードIXの共同創業者兼CEO、ロバート・バーンズ(Robert Barnes)氏は語り、次のように説明した。「在庫情報、インボイス、注文書、先行発注や指図書、チェーン上でのコントラクトの対応など(中略)買い手と売り手間のデータを強化しようと考えています」

レガシーテクノロジーをブロックチェーンシステムへと統合

アクセンチュアは、2020年のローンチに先駆けてマルコ・ポーロの戦略的パートナーとなり、レガシーテクノロジーをブロックチェーンシステムへと統合する企業の支援を行う。

「我々は既にそうした取引の多くを処理しており、AI、アナリティクス、自動化でより効率化された処理へと導いています」と、アクセンチュア・オペレーションズ(Accenture Operations)のブロックチェーンサービス担当マネージングディレクターであるメラニー・カトラン(Melanie Cutlan)氏は語った。「分散型台帳技術(DLT)において、アクセンチュアは金融サービスインフラ、サプライチェーン、そしてデジタルアイデンティティに重点を置いてきました。これは、それら3つすべての核心にあたるものです」

トレードIXは先週、マルコ・ポーロネットワークが、これまでで最大のオープンアカウント貿易金融トライアルを完了し、70以上の組織が参加したと発表した。その公開以来、マルコ・ポーロには金融や関連業界の大手が数多く加わり、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)、マスターカード(Mastercard)、自動車メーカーのダイムラー(Daimler)も9月に参加した。11月には、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(Bank of New York Mellon)がネットワークに参加した28番目の銀行となった

一方のアクセンチュアは今月初旬、スウェーデンの中央銀行によって、eクローナ・デジタル通貨のパイロット版開発を任せられた。アクセンチュアはまた、デジタル通貨とブロックチェーンを利用して国際支払いを行うカナダとシンガポールの中央銀行間のトライアルにも技術的支援を行った

翻訳:山口晶子
編集:T.Minamoto
写真:Accenture image via Shutterstock
原文:Accenture Will Board Corporates Onto Marco Polo Shipping Blockchain