- JPモルガン（JPMorgan）のCEOジェイミー・ダイモン（Jamie Dimon）氏は10月15日、同行の決算説明会で新たな信用問題について警告した。
- ジェフリーズ（Jefferies）、ザイオンズ・バンコープ（Zions Bancorp）、およびウエスタン・アライアンス（Western Alliance）は、損失に直面している著名な企業である。
- ビットコインは伝統的な市場と並行して下落しているが、歴史は政府の対応が次の強気相場の動きに火をつける可能性があることを示唆している。
米国株式市場は10月16日、景気減速に加え信用問題が表面化し始めたことを受け、下落している。
JPモルガンのCEOであるジェイミー・ダイモン氏は、15日に開かれた同行の四半期決算に関する説明会で、「ゴキブリを一匹見つけたら、おそらく他にももっといる」と述べた。
ダイモン氏が言及していたのは、今秋に発生した自動車部品サプライヤー、ファースト・ブランズ（First Brands）と、サブプライム自動車ローン会社トライカラー・ホールディングス（Tricolor Holdings）の破産である。
ダイモン氏のコメントに対し、プライベートエクイティ企業ブルー・アウル・キャピタル（Blue Owl Capital）の共同CEOであるマーク・リプシュルツ（Mark Lipschultz）氏は、銀行は自分たちの帳簿を徹底的に調べ上げ、「ゴキブリ」を洗い出すべきだと述べた。
ファースト・ブランズの破産は、その取引銀行であるジェフリーズを苦しめており、同社株は16日の9%の下落を含めて、過去1カ月間で25%下落した。
ジェフリーズは今週、ファースト・ブランズが原因となるいかなる損失にも容易に耐えることができると述べた。
16日の信用懸念をさらに強めたのは、ザイオンズ・バンコープが前夜、法的トラブルに直面している借り手が受けた2件の融資に対し、5000万ドル（約75億円、1ドル＝150円換算）の損失計上を発表したことだ。
さらにウエスタン・アライアンスは、商業用不動産融資の借り手に対し、詐欺を理由に訴訟を起こしたと発表した。
ザイオンズとウエスタン・アライアンスの株は16日、それぞれ12％と10％下落し、地方銀行セクターの大幅な下落を主導している。
より広範な株式市場は、現在のところこのニュースを比較的冷静に受け止めており、S&P500はわずか0.8%下落しているが、リスクオフのセンチメントは金をさらに2.5%上昇させ、約4300ドルという新たな最高値に押し上げるのを助けた。
デジタル版の金とも言われるビットコイン（BTC）はそのような買いは集まっておらず、投資家は現在のところ、ビットコインを単なるリスクオン資産として扱い続けている。ビットコインの価格は16日、10万7500ドルまで下落した後、現在の10万8000ドルにわずかに回復し、過去24時間では3.2%安、過去7日間では11%安となっている。
強気相場の種？
最近の歴史は強気筋に希望を与えるかもしれない。他の伝統的な市場の崩壊（2020年3月のコロナウイルスのパンデミックによる暴落や、2023年3月の銀行危機）も、株価指数と並行してビットコインを急激に下落させた。
しかし、政府の対応（財政および金融政策の大幅な緩和）は、ビットコインの壮大な強気相場の舞台を整えた。
そのような対応の兆しは、すでに債券市場で察知され始めているようだ。
10年物国債利回りは16日、8ベーシスポイント（bp）下落して3.97%となり、4月の「解放記念日」の市場のパニック以来最低水準となった。金融政策の緩和に最も敏感であるとされる2年物国債利回りは3.42%に急落し、3年以上見られなかった水準である。
シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）の短期金利先物を確認すると、トレーダーは今月後半の米連邦準備制度理事会（FRB）の政策会合での50ベーシスポイントの利下げ決定の可能性を3.2%と見ている。16日以前は、その確率は0.0%であった。
トレーダーはまた、年末までに75bpの利下げが行われる確率を11％と予想しており、こちらも1日前は0％だった。
｜翻訳・編集：山口晶子
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｜原文：Emerging ‘Cockroaches’ in TradFi Sting Bitcoin, but Fed Response Could Be Bullish
