- Ripple Labs(リップル・ラボ)は、特別目的会社(SPAC)を通じて、XRPの蓄積を目的に、少なくとも10億ドルを調達していると伝えられた。
- 新たにデジタル資産トレジャリー(DAT)組織を設立するという。
- 市場が不安定な中、財務管理システム大手GTreasuryの買収も発表した。
Ripple Labs(リップル・ラボ)は、特別目的買収会社(SPAC)を通じて、エックス・アール・ピー(XRP)の蓄積を目的に、少なくとも10億ドルの資金調達を主導しているとブルームバーグが報じた。
調達した資金は、新たに内部に設立されるデジタル資産トレジャリー(DAT:Digital Asset Treasury)組織に保管される予定で、リップル自身も保有するXRPの一部を拠出する予定で、最終条件を協議中という。
実現すれば、XRP関連の資金調達としては、過去最大級のものになる。
現状、暗号資産(仮想通貨)市場は脆弱な局面にある。米中貿易ショックでは、約190億ドル相当のポジションが清算され、暗号資産市場全体が下落した。
だがリップルは、長期的な体制強化を進める姿勢を崩していない。同社は米時間16日、財務管理システム(TMS)大手GTreasuryを10億ドルで買収したと発表。買収は、トークン化預金やステーブルコインの活用を検討する企業の財務部門との連携を強めるものと期待されている。
新たに設立されるXRP特化型のDAT事業は、マイケル・セイラー氏率いるストラテジーや日本のメタプラネットのような上場企業による暗号資産トレジャリー事業に類似するものとなるだろう。両社はいずれも、市場のリスク回避ムードの中で株価が下落している。
リップルの取り組みは、機関投資家規模でXRPエクスポージャーを一元化するユニークな試みと言える。同社はすでに約47億XRP(約110億ドル相当)を保有しており、さらに359億XRPがオンチェーン・エスクローにより毎月段階的に解除される仕組みになっている。
リップルは、計画的な蓄積とトレジャリー管理によって、XRPの供給ダイナミクスに安定性、少なくとも予測可能性をもたらすことを狙っている。XRPが機関投資家による決済やカストディの分野で存在感を強めるなか、この取り組みはその基盤を支えるものとなるかもしれない。
とはいえ、市場が不安定な状況にあり、投資心理も脆い状況での取り組みは、果敢であると同時にリスクを伴うものでもある。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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|原文:Ripple Said to Lead $1B Fundraise to Bulk Up XRP Holdings Amid Fragile Market


