- かつてインド最大の暗号資産取引所だったWazirXは、1年間の休止期間を経て、10月24日に営業を再開する。
- 同取引所の再開は、シンガポール高等裁判所の承認を得た再編計画に基づくもので、開始当初は取引手数料を無料とする。
- WazirXの復活は、過去のプラットフォームの失敗によって揺らいでいるインドの暗号資産コミュニティの信頼を試すことになるだろう。
債権者へのメールによると、かつて取引高でインド最大の暗号資産(仮想通貨)取引所だったWazirXが、10月24日に営業を再開する。
これにより、同国の暗号資産史上最も劇的な崩壊の一つに巻き込まれた数千人の債権者の1年以上続いた不確実な状況が終結する。この崩壊では、取引所から2億3000万ドル(約345億円、1ドル=150円換算)相当のさまざまなトークンが盗まれた。
再開は、親会社のZettai Pteによる再建計画がシンガポール高等裁判所で承認されたことを受けたものだ。この計画は今年初め、債権者からほぼ満場一致の支持を得ていた。
これは、昨年の大規模なセキュリティ侵害で資産が凍結されて出金が停止され、インド最古の暗号資産プラットフォームがオフライン状態に陥った後に始まったプロセスの最終段階だ。
多くの関係者にとって、回復への道のりは遅々として進まないものだった。取引所が破産手続き、フォレンジック監査、移行計画を進める中、債権者は数カ月間、状況が明確になるのを待ち続けた。10月22日の発表は、返済に向けた最初の具体的なスケジュールを示すものであり、トークンの配布とリカバリートークンは再開と同時に開始される見込みだ。
WazirXは、暗号資産のペアやUSDT/INRを含む少数の市場で取引を再開すると発表。「再始動キャンペーン」の一環として、サービス開始時は取引手数料が無料となる。
同取引所の再開は、税負担と相次ぐプラットフォーム障害に苦しむインドの小口暗号資産コミュニティが、依然として国内取引所を信頼しているかを試すことになる。WazirXは信頼と安全性を高めるため、ビットゴー(BitGo)と提携し、機関投資家向けレベルの保険付きカストディソリューションを通じてプラットフォーム資産を保護する必要な措置を講じている。
かつてインドの暗号資産ブームで主導的立場にあったWazirXは、昨年の崩壊によりユーザーの信頼に深い傷を残した。この傷は、たとえ再起動が成功しても容易に癒えるものではないだろう。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:WazirXのニシャル・シェティCEO(WazirX)
|原文:WazirX to Restart Trading on Friday After $230M Hack Caused Year-Long Shutdown


