メタプラネットは10月28日、取締役会において最大750億円規模の自己株式取得枠(自社株買い)を設定したと発表した。
取得し得る株式の総数は最大1億5000万株で、発行済株式総数の13.13%に相当する。
あわせて、保有ビットコイン(BTC)を担保とする5億ドル(約764億円)の融資枠契約も締結し、機動的な財務戦略を実行するとしている。
今回の決定は、同社の株価が置かれている状況が背景にある。
メタプラネットは9月、海外募集による大規模な増資を実施したが、その際の発行価格が市場価格から約10%割り引かれたことで、株式価値の希薄化懸念などから株価は下落基調となった。
同年6月には一時1900円を超える高値を付けていたが、現在の価格水準はそこから大きく調整し、本日の終値は475円となっている。
10月14日には、企業価値を保有BTCの時価総額で割った指標「mNAV」が、2024年のBTC財務戦略開始以来、初めて1倍を割り込み、時価総額が保有BTCの価値を下回る状態に陥っていた。

同社はこうした状況を、株価が本源的な企業価値に対して「過小評価されている」と表明。
この課題に対応するため、新たに「キャピタル・アロケーション・ポリシー(資本配分方針)」を策定した。
今回の自己株式取得は、この方針に基づく施策であり、mNAVが1倍を下回る局面で実行することで、資本効率の向上と1株当たりBTC保有量の最大化を見込む。
自己株式の取得は、本日29日から2026年10月28日までの1年間、東京証券取引所における市場買付によって行われる予定。
メタプラネットは10月29日時点で、世界4位となる3万823BTCを保有している。
|文:栃山直樹
|画像:同社ウェブサイトから(キャプチャ)


